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Meta、詐欺広告への対策を強化 527万件を削除

Metaは16日、詐欺広告に対する取り組み強化について発表した。

この数カ月、SNSにおける偽広告の問題について、SNSを展開する大手プラットフォームの対応が問題視されてきた。Metaは年初より多くの詐欺広告の掲載や被害が報告されており、6月には総務省が名指しで対策実施を求める発表を行なっていた。

Metaでは、「詐欺の被害を受けた利用者がいること」などについて謝罪するとともに、詐欺広告に対する取り組みを強化。著名人の画像を使用した広告など、詐欺や不正行為を阻止し、オンライン上の詐欺に対して注意喚起を行なうなど、「踏み込んだ対策と措置を講じる」としている。

具体的には、「詐欺広告の分析強化と自動検出システムの改善」「著名人の画像を悪用する第三者への措置を強化」「広告主に対する審査の厳格化」の3点を実施する。

分析強化では、検出技術の改善や審査チームの精度向上などを行なう。また、取り組みやプロセスには日本語や日本の文化に精通した審査チームの人員も関わるとしている。

著名人の画像悪用については、「悪質な第三者をより早く特定したり、ポリシーに違反する広告が掲載される前に防ぐ」としている。広告主から不審なシグナルを検出したり、ポリシー違反があった場合に、広告却下やアクティビティの制限、広告掲載禁止などを行なう。

広告主に対する審査の厳格化では、新規の広告主に、掲載前に広告アカウントに紐づく有効な電話番号の確認を求めるなどの措置を行なう。

Metaでは継続的に詐欺広告対策を進める。今年4月には、日本をターゲットとし、日本の著名人の画像を無断で広告に使用した詐欺アカウントとページから成るネットワークを削除。その結果、約100万件の広告と、広告の作成に使用された約5,000件のFacebookアカウントが特定され、削除となった。また、これらの広告を配信していた約5,000ページに対しても、Metaの広告製品を使用できないようにした。このように悪意のあるネットワーク全体を一度に削除し、自動検出システムと安全のためのツールや機能を補完し、悪質な第三者が活動を続けることを抑止していくという。

これまでに実施した様々な対策を組み合わせると、'24年3月5日から6月1日までの期間に削除した日本をターゲットとする詐欺広告は約527万5,000件、広告アカウントは5,400件となる。

また、6月18日には「詐欺対策ポータル」を立ち上げ。詐欺の傾向についての最新情報をはじめ、サイバーセキュリティに関するMetaの取り組みの進捗状況などを紹介している。詐欺に関する注意喚起なども強化していく。