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渋谷の新ビル「アクシュ」を見てきた ヒカリエ裏に渋谷~青山の新しい道
2024年7月4日 19:45
東急は、7月8日に開業する複合施設「渋谷アクシュ(SHIBUYA AXSH)」の内覧会を実施した。商業とオフィスが入居する地上23階・地下3階のビルで、渋谷駅から青山方面へと向かう新しい歩行者動線としての役割も担う。
渋谷アクシュは、渋谷駅から見てヒカリエと渋谷クロスタワーに挟まれた立地の、青山通りに面した複合施設。通称“青渋”と呼ばれる、幹線道路に囲まれたオフィス中心のエリアだったため、人が集まり、賑わいが生まれる場所が不足しているという課題があった。また、渋谷から青山通りに向かう道は、宮益坂に代表されるように、上り坂で歩行者にとっては歩きやすい場所とは言えなかった。
こういった課題に対し、アクシュは「TSUNAGI-BA(ツナギバ)」をコンセプトに、青山と渋谷の街をつなぐ、人々や文化がまじりあい、新たな価値が生まれる場を目指し、計画された。
アクシュの開業による大きな効果の1つとして期待されるのが、回遊性の向上。渋谷駅からクロスタワーや青山方面へ、ヒカリエやアクシュのエスカレーターやデッキを利用して「上りを歩く」ことなく移動できる。また、施設内や屋根付きのデッキを歩くことができるので、クロスタワーまでは雨に濡れることなく移動できる。5時から25時まで通行可能。
なお、坂道に位置することから、ヒカリエの2階とアクシュの1階、ヒカリエの3階とアクシュの2階で接続することとなる。アクシュとクロスタワーを接続するデッキは、アクシュ2階にある。
開発を通じて近隣の道路が封鎖されたわけではないので、従来通りヒカリエ横の道路を通って青山方面に向かうこともできる。
アクシュの1階には、ヒカリエと反対側の青山通り側にも出入口がある。
歩行者ネットワークをつなぎ、人が集う空間となる広場して、渋谷駅方面に「SHIBUスポット」、青山方面に「AOスポット」を設置。SHIBUスポットではキッチンカーの出店や外部イベント利用などを想定している。また、2階レベルに設置するシースルービジョンでは、四季折々の季節感を演出する映像やロゴモーション、時報などを放映する。
AOスポットには、現代アートギャラリーやアートバーを出店するNANZUKAのパブリックアートプロジェクト「NANZUKA PUBLIC」により、訪れる人が様々な形でアート作品に触れる機会を創出する。年に2~3回入れ替えながら継続的に展示する予定で、第1弾はフランスのアーティスト・Jean Jullien(ジャン・ジュリアン)氏の作品を展示する。
そのほかヒカリエ側の2階にも滞留できる広場を設ける。
施設内で滞留する場となる飲食店は、歩行者動線となる1階と2階を中心に設置。飲食店は多国籍な店舗展開としているほか、オフィスビルが増える渋谷において不足しがちなカフェが3店舗出店する。セブン-イレブン、りそな銀行ATM、アートギャラリー、健診センターも含めて15店舗で、一部店舗は2025年オープン。
オフィスエントランスとなる3階には、一体感が感じられる設えとしたタリーズコーヒーや、再開発前の同地で誕生したアートギャラリー「NANZUKA」が出店。また、くつろぎスペースやワークスペース、賑わいの場となる「階段室(たまりば)」を設置する。4階は健診センター。
オフィス基準階の面積は約1,325m2(約400坪)で、最大4分割まで可能。開業前に満床となっている。入居企業は「ビズリーチ」を展開するビジョナルなど。オフィスは5階から23階で、23階には入居テナントのみ使用可能な屋上スペースを設置している。
オフィス市況について東京ビジネス地区の中で渋谷区は、空室率約4%と低く、また平均賃料は23,075円/月坪と高くなっているという。
アクシュの所在地は東京都渋谷区渋谷二丁目17番1号。敷地面積は約3,462m2、延床面積は約44,543m2、高さは地上120m。
渋谷駅周辺エリアでは、7月8日にアクシュが開業するほか、7月21日に渋谷西口地下歩道、JR渋谷駅新南改札が使用開始となり、7月25日には渋谷サクラステージの商業エリア37テナントが開業する。
このタイミングに合わせ、事業者や渋谷区、教育機関などとの協働による「SHIBUYA まちびらき2024」の一環として、新たな渋谷の魅力を発信するイベントを7月8日から8月31日まで実施する。
歩行者ネットワークの整備は引き続き進められており、西口3階上空施設や東口スカイウェイといったデッキ等が完成することで、地下、地上、デッキと様々なレベルで東西南北を回遊できる歩行者ネットワークが形成される。