ニュース

ライドシェア、タクシー会社以外の参入は見送りに

一般のドライバーが有料で利用客を運ぶ「ライドシェア」について、タクシー会社以外の参入は、当面見送られることとなった。31日に政府の規制改革推進会議において答申が出され、法改正を含めた議論を今後行なうこととした。

ライドシェアについては、“タクシー会社が管理”し、自家用車や一般ドライバーにより有償で輸送サービスを提供する自家用車活用事業「日本型ライドシェア」が4月にスタートした。加えて、タクシー事業者以外の参入を可能とする環境整備も6月を目処に検討するとしていたが、答申では「法制度等の議論を行う必要」には触れているが、期限を定めず検討を進めるとした。

まずは、現在の日本型ライドシェアの枠組みの中で検証を進め、不十分な場合に法制度を含めた検討を行なうという方針が定められた形だ。

ライドシェア導入の目的は、地域交通の「担い手」不足、「移動の足」不足の解消。

現在、12都市で展開している日本型ライドシェアのデータを検証したうえで、天候・季節波動・イベント等による需要の増減など、制度の運用について柔軟に見直しながら評価を進める。

その上で、担い手不足や移動の足不足への対策として「不十分」とされた場合、法制度等の議論を行なっていくこととなる。

制度の検討は、車やドライバーの安全の確保、事故時の責任体制の確保、ドライバーの適切な就業条件、個別輸送の充実による利用者利便の確保と外部不経済の発生とのバランス、全国展開のための制度要件・公平な競争条件の確保、他国の課題、消費者保護などの観点から行なわれる。

答申を受け岸田総理は、モニタリングを進め、できるだけ早期に、その時点での検証結果の評価を行なうよう要望。加えて、タクシー事業者以外によるライドシェア事業について、論点整理を踏まえて法制度を含め、事業の在り方を議論するよう言及した。

規制改革推進会議では、その他にも、災害時のドローン活用や、簡易宿所(古民家、別荘等)の設置要件の緩和、死亡・相続手続のデジタル化、社会保険手続のデジタル化、真の5G普及に向けた規制・制度の見直し(ミリ波・Sub6等に係る基地局を整備し、スマホ画面では4G転用と区別して表示)、買収対価を株式とするM&Aの活性、フリーランス・ギグワーカーの保護、偽装請負の防止などが盛り込まれる。