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LUUP、「電動シートボード」を今冬投入 座って乗車・カゴ付き新型車両

開発中のLUUP「電動シートボード」

Luupは、座席カゴ付きの特定小型原付「電動シートボード」を発表した。2024年冬以降、電動アシスト自転車や電動キックボードに次ぐ新たな車両として提供開始する。

電動シートボードは、座席・カゴ付きのため、長時間の移動が必要な人や大きめの荷物を持っている人、足腰への不安からLUUP乗車が不安だった人もLUUPに乗車可能になる新型モビリティ。「自転車誤認防止デザイン」により、自転車と明確に外見を分けることで、利用者自身や周囲の人々が“自転車”に間違える懸念を軽減するという。

なお、座席・カゴ付きの特定小型電動機付き自転車がシェアリングサービスとして提供されるのは日本初。

開発中のLUUP「電動シートボード」。カゴを装備して荷物をいれられる

Luupは、2020年5月から電動アシスト自転車、2021年4月から電動キックボードのシェアリングサービスを開始。2023年7月の道路交通法改正からはキックボードのシェアリングサービスを本格化している。

一方、電動アシスト自転車は人力で漕ぐ必要があり、電動キックボードは立ち乗りのモビリティのため、足腰に不安がある人や荷物がある人は移動に使いづらいという問題があった。そのため、新たに電動シートボードを提案。より多くの人に新たな移動手段として提案していく。

電動シートボードは、車両のカテゴリとしては「特定小型原動機付自転車」となり電動キックボードと共通。完全電動で最高速度は20km/h、16歳以上であれば免許不要で乗車できる。また、設置スペースに配慮し、小型で既存のLUUPポートにおけるようになる。

外形寸法は118×58.4×101cm、重量は29kg。カゴのサイズは約23.6L。歩道モード利用時の最高速度は6km/h。2024年冬以降、順次シェアリングサービスでの提供を開始する。

電動アシスト自転車と電動シートボード、電動キックボード

“自転車に見えない”にこだわる

今回開発した電動シートボードは、基本的にほぼこの仕様で今冬にスタート予定。既存のLUUPアプリから電動アシスト自転車やキックボードと同様に利用可能になる。料金や台数などは未定だが、「プランを複雑はしたくない(Luup岡井大輝CEO)」としている。

Luup岡井大輝CEO

展開エリアについては、今後のテスト等の反応を見ながら決定するが、「カゴに荷物を置ける」「座れる」など、電動キックボードで満たせないニーズをカバーできることから、高齢層を中心に幅広い年齢層でのLUUPの浸透を目指す。

現状も、電動キックボードよりも電動アシスト自転車のほうが利用距離が長くなっているが、電動シートボードもキックボードよりは長距離で使われるイメージだという。カゴも備えていることから、買い物利用などでも使ってほしいとしており、「電動アシスト自転車と電動キックボードの足りない部分を補完している」とアピールした。

新たな形のモビリティだが、電動キックボードやアシスト自転車と同じ、LUUPのポートに停められるような省スペース設計が特徴となる。

また、Luupでこだわったというのが「自転車擬態」ではなく、特定小型原付として認知されるための「自転車誤認防止デザイン」だ。

近年、モペットやフル電動自転車など、自転車に似ているが自転車ではない乗り物が増えており、原付としての保安基準を満たさないものもある。自転車ではないが、危険な歩道走行が横行するなどの問題も発生している。

LUUPの特定原付は、特定の標識がある歩道で6km/hで走行できるという限定的な歩道走行のみが認められており、この点は自転車とは大きく異なる。今後特定小型原付でも“自転車風”の乗り物が増えると、自転車に紛れた形での歩道走行等の危険運転が増える懸念があるとし、あえて「自転車に見えない」デザインを採用したという。

そのため、電動キックボードに近しいデザインで、“またがない”乗り方が特徴の電動シートボードが誕生したという。

小径の電動キックボードサイズのタイヤを採用

岡井氏は、「われわれは電動キックボードの会社ではない。目指すのは小型モビリティの移動インフラ」と強調。今後、より多くの世代が使える3輪や4輪のモビリティ開発にも取り組んでいく。

また、Luupは、2023年7月の道交法改正から1年を経て、新たな安全対策なども発表した。詳細は別記事でレポートする。