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グーグル、12時間先まで5分刻みで降雨予測する「Google ナウキャスト」

Googleは19日、将来の雨量を正確に予測する「Google ナウキャスト」をGoogle 検索に導入すると発表した。最大12時間先まで5分ごとの降水量予測(ナウキャスト)が表示されるようになり、7月から順次提供開始される。まずはモバイルのGoogle 検索で対応する。

Google ナウキャストでは、6時間先までの降雨予測をGoogle 検索の結果に表示し、さらに12時間先までの予測を文字情報で表示。5分単位の詳細な雨量予測が可能となる。雨だけでなく雪の予測も行なう。

ナウキャスト実現のため、新たな気象予測モデル「MetNet-3」を導入したほか、ウェザーニューズとの提携により、カスタム構築された新しい雨量予測モデルを開発。日本での正確な天気予報を可能とする。

従来の気象予測では、熱力学や物理法則に基づき、気象を表現するモデルを計算機上に構築し、スーパーコンピュータを駆使してシミュレーションを行なう。この気象予測モデルでは、多数のパラメーターや空間グリッド間の複雑な依存関係などを扱う必要があり、シミュレーションには膨大な計算量と時間が必要となる。

Googleが2020年に開発したMetNetは、それらと異なり、過去の観測データから気象パターンの推移をAIモデルにより学習し、シミュレーションによらず、現在までの観測データからこの先の気象パターンを直接導く。そのため、米国全体の予測を数秒で行なうなど、従来のモデルより早く、正確になる点が特徴。MetNet-3はその最新バージョンとして、2023年11月に発表され、より高精度な降水予測などが可能となっている。

MetNet-3による雨量予測は、Google ナウキャストの5分ごとの雨量予測に活用。1日あたり(週間)の天気予報には使用しない。よりタイムリーな雨量予測として活用する。シミュレーションは行なわないものの、2017年から2022年までの5年分のデータをもとに学習しており、ゲリラ豪雨なども予測できるという。

ウェザーニューズと提携
日本のモデルの評価
日本のモデルのパフォーマンス

Google ナウキャストは5分ごとの降雨予想が可能で、エリア解像度は3km×3km四方と、細かいエリア予測が可能。なお、MetNet-3のモデル自体は24時間先まで1km×1kmの解像度で出力できるが、まずは3km×3kmで開始する。位置情報を活用して、現在地の情報を表示するため、まずはモバイル(Web/アプリ)のGoogle検索で対応開始する、

なお、アメリカとイギリスで日本より先にGoogle ナウキャストが開始されているが、アメリカは1分単位、イギリスは10分単位の降雨予想となっている。

Googleの天気表示の変化

Googleによれば、天気予報は「Google 検索で最も頻繁に検索されている機能の一つ」という。気象庁の調査では、約85%の人が、1日1回以上、天気を確認しており、日本は天気予報を重視する国といえる。そのため、より詳細な天気予報のための取り組みとして、Google ナウキャストの開始を決めた。

Google 検索 プロダクトマネージャーのMaya Ekron(マヤ エクロン)氏(左)と、 Google Research シニア プログラムマネージャーのIsalo Montacute(アイセロ モンタキュート)氏

19日には日本におけるグーグルの活動を紹介する「Google for Japan」を開催。ハッシュタグ検索のほか、日本におけるAIの取り組みを紹介した。