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イトーキ、大型の六角形ブースを紹介 「オルガテック東京2024」

オルガテック東京2024

ドイツ発の国際的なオフィス家具の展示会を東京で開催する「オルガテック東京2024」が5月29日に開幕、31日まで催される。場所は東京ビッグサイトの東展示棟4・5・6ホール。日本では3回目の開催となり、初出展78社を含む最多163社が参加している。

初出展78社を含む最多163社が参加

2023年から引き続き「SHIFT DESIGN」(シフトデザイン)がキーワードで、卓越したデザインには機能や美しさだけでなく、未来を切り開くポテンシャルがある、というテーマになっている。

イトーキの新たな一面

会場で最も大きなブースを構えるイトーキは、昨年から打って変わり、イトーキが取り扱う海外ブランドを積極的にアピールする展示で、家具ブランドのプラットフォーマーとしての“新しい一面”を打ち出す内容になっている。ブースの名前も「&ITOKI」と銘打ち、優れたグローバルブランドを国内外に提供するという側面にフォーカスしている。

注目を集めていたのは、2025年春に正式ローンチを予定している「J1890 NEW YORK」のThe stadiumシリーズ。ニューヨークでデザインされ、日本で生産、欧米向けを中心に出荷されるというラグジュアリーブランドになる。このスタジアムは役員会議室向けなどのハイエンドなラインで、高級ホテルの内装のような雰囲気を備え、素材も天然石や天然木がふんだんに用いられたものになる。

最大の特徴は、ラウンドテーブルの内側にローソファを備えたデザイン。例えば、プレゼンターがソファ(内側)に座り、後部のテーブル席には重役が座るといった利用を想定しているという。

座面は前列(内側)が低く後列は高くなっているほか、タブレットの利用を想定してテーブルの奥行きは抑えてあり、前列と後列でコミュニケーションを図りやすい工夫も凝らされている。

「J1890 NEW YORK」のThe stadiumシリーズ
テーブルはタブレットを想定して狭く、スタンドライトの根本にUSB Type-Cポートが設けられている
こちらは円形ではなく直線タイプ
ハイチェア→ローソファと、(映画館のように)座面が順に下がっていく構造

イトーキが2024年中に独占的に提供するというのが、デンマークの「Poul Henningsen Furniture」。デザインされた当時は大量生産できなかったという家具が、最近になって量産にこぎつけており、日本ではイトーキがライセンス生産と独占販売を行なう。オフィス家具のラインナップでは比較的珍しい、クラシックな家具の雰囲気を兼ね備えたデザインになっている。

「Poul Henningsen Furniture」
天板は南米のマホガニー材を使用
斧の柄をイメージしたユニークな脚

六角形ミーティングブース披露。個室ブースは「少し広く」

六角形のミーティングブース「ADDCELL Hexa」

イトーキは5月16日に六角形のミーティングブース「ADDCELL Hexa」(アドセルヘキサ)を発表。オルガテックのブースで2種類が展示されている。ひとつは販売を想定したローソファタイプ、もうひとつは参考出品のハイソファタイプとなる。

着座5名とプレゼン1名など、ブース内は最大6名での利用を想定。Web会議のほか、オフラインのチームミーティングにも最適という。六角形にすることで誰もが画面を見やすい場所に座ることができ、コミュニケーションをとりやすい構造が特徴になる。

アドセルヘキサの内部
ローソファタイプ
どの席でも画面を等しく見られる
スプリンクラーは2基設置されている

従来の四角形のブースはオフィスの隅に配置されることが多いというが、この製品はオフィスのコミュニケーションツールとしての利用をより重視。オフィスの中心に置かれることを想定し、圧迫感の少ないガラスを多用する設計で、オプションでカーテンも用意する。

参考出品のハイソファタイプ。座席は4面に対して設置している

イトーキはこのアドセルヘキサのほか、従来の四角形のアドセルについても最大8人のタイプを開発中。

消防庁は2023年3月の消防法の通知で、消防設備が免除される個室ブース(可動式ブース)の床面積について、従来の3m2以下から6m2以下に緩和する通知を出している。

イトーキが開発しているのは、この消防法の新たな通知に対応したもの。六角形のアドセルヘキサ、四角形の新型のアドセルは、どちらも6m2の製品になっている。同社では、導入しやすい可動式ブース(底のキャスターが付いており、設置後も移動が可能)で大型の製品ラインナップを拡充していく方針。