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5mの土砂に埋まったスマホから遭難者を発見するドローン ソフトバンクら
2022年11月18日 21:32
ソフトバンクと双葉電子工業、東京工業大学工学院 藤井輝也研究室は、土砂崩れなどにより遭難した人や要救助者の捜索を支援するため、ドローンを長時間飛行させながら、土砂やがれきに埋まったスマホの位置を特定する「有線給電ドローンシステム」を開発した。5mの土砂に埋まったスマホの位置を上空から特定し、救助などに役立てられるという。
同システムは、有線給電ドローンを活用するため、連続100時間以上の飛行が可能。一方、地上の給電装置からドローンまで電源ケーブルを伸ばすと、途中で倒木などの障害物に引っ掛かっかる可能性がある。そのため、スマホを捜索するドローン(主ドローン)と、電源ケーブルを持ち上げて制御する補助ドローンの計2機のドローンを活用することで、給電しながら最長約200mの移動距離を実現する。
千葉県 長生村の双葉電子の長生工場に、通信圏外でGPSの信号が届かない土砂の山を築き、その中にスマホを埋めて同システムで捜索する実証実験では、最大5mの土砂に埋まったスマホの位置を特定することに成功した。
砂やがれきの中に深く埋まった場合、スマホはGPSの信号を受信できないため位置情報を取得できない。同システムでは、捜索現場の上空にドローンを飛行させ、ドローンの指向性アンテナによって、スマホから送信される電波の受信電力と、GPSの信号を受信しているドローンの位置情報を同時に取得し、飛行経路上で受信電力が最大となるドローンの位置をスマホの現在位置として特定する。
この点は従来のシステムと共通だが、有線給電ドローンの採用と、電源ケーブルを持ち上げて制御する補助ドローンの計2機のドローンを活用することで、障害物を回避しながら、約200mの範囲を連続100時間以上安定して捜索ができる点が特徴となる。
従来は、1回当たりの飛行可能時間が最大約30分に限られており、捜索範囲が広い場合は捜索を中断してバッテリーの交換を行なう必要があった。地上から有線で電力を供給し、長時間の運用できる新システムにより、連続100時間以上の捜索に対応可能とした。