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土屋鞄、バッグのリユースに本格参入。修理品を最大50%オフ

土屋鞄製造所は6月から、リユース事業に本格参入する。古くなった同社の革製バッグを無料で引き取り、職人が修理して定価の最大50%オフで再販売し、新品と同様の返品保証・修理などのアフターサービスにも対応する。

土屋鞄ではリユースビジネスの事業化に向けて、2021年にテストマーケティングとして同様の取り組みを実施。目標の100点を大きく上回る580点のバッグを10月の1カ月間で引き取り、11月から12月にかけて約150点を販売した。

前回のポップアップストア 中目黒の土屋鞄店舗

引き取りサービス利用者に対するアンケートでは、9割が「満足」と回答し、「自分のかつての愛用品が、職人の手で生まれ変わり、他の方がまた愛用してくれると思うと本当に嬉しい」といった声もあったという。また、再販売製品の購入者からは「状態がとても綺麗で驚いた」「良い味わいが出た状態のバッグを購入できて嬉しい」等の声があり、好評だったとしている。

修理前後

2022年には、製品の引き取りを6月と10月の2カ月間、全国14店舗と配送(同社着払い)で対応。バッグの提供者には1回の引き取りにつき、同社の全店舗とオンラインストアで大人向け鞄の購入時に利用できる20%割引クーポンを提供する。外装と内装にひどい汚れ、破れがあるもの、バッグ製品本体の半分を超える範囲の革に、色褪せや傷、擦れがあるものは引き取り対象外。

集めた製品は、リユース専門の職人が同社の工房で、バッグの状態に応じて、クリーニングや保革、補色といった革のメンテナンスを施すほか、内装の張り替えや破損パーツ(ファスナー等)の交換、糸のほつれ直しなどを行なう。確実にメンテナンスの行き届いたリユース品を入手できることを、フリマアプリやリサイクルショップなどと異なる大きなポイントとしている。

修理専門の職人が作業する様子。東京・西新井の工房
ファスナー交換前後

販売は9月から10月頃と、11月から12月頃の2回を予定。東京都・中目黒と大阪府・大阪市(グランフロント大阪)のランドセル専門店「童具店」2店舗で、期間限定のポップアップストアをオープンする。

販売価格は定価の25~50%引き。リセールするアイテムの特長として、経年変化で革の風合いなどがすべて異なる一点物であることを挙げており、1つの物を、末永く良い状態で使い続けることができる、革製品ならではの取り組みとしている。

2022年は、1,400点のバッグを集め、360点のリユース販売で1,000万円の売り上げを目指す。2023年以降は、リユース対象製品をバッグ以外の財布やキーケースといった小物にも広げていく計画。また、引き取りと販売の期間延長、販売店舗の拡大、他社の革製品の取り扱いも検討する。

今後は、修理やリメイク専門の職人を採用・育成していく計画。2026年までに、同プロジェクトの年間売上高を5億円とすることを目標に掲げる。