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IDひとつで街中“顔パス”。三菱地所が進める街のDX

三菱地所は、DXによる新しい街づくりを目指す「三菱地所デジタルビジョン」を策定。街で利用できる認証システムによって、さまざまなユーザー体験を1つのIDでシームレスに実現する仕組みを構築し、外部企業や行政などとも連携する。

街での体験を蓄積・最適化することで、より便利で豊かなユーザー体験(UX)を提供し、一人ひとりのQOL向上に繋がる安心安全・快適なまちづくり、住まいづくりを目指す。また、デジタル接点のオープン化によるライフスタイル・企業行動の革新を実現し、人と人、企業と企業がオンライン・オフラインで出会う環境づくりを行なうことで街を進化させる。

2020年10月に開発した共通認証ID「Machi Pass」を活用。街で展開される複数のオンラインサービスや来場予約、リアルな空間への入退室など、オン・オフラインの体験を一つのIDで利用可能とするもので、すでに丸の内エリアのオフィスワーカー向けWebサービス「update! MARUNOUCHI for workers」等で利用が開始されている。

Machi Passは、三菱地所グループだけでなく、外部連携とも連携させ、モビリティサービスや食・ヘルスケア、EC、コミュニティ、教育、行政サービスなどと連携し、街を構成するあらゆる関係者とオープンで繋がるエコシステム「Mitsubishi Estate Local Open Network」(MELON)を構築する。

これにより、エリア内での顔パス認証や、混雑状況に応じた注文・決済・配送、ニーズに合わせた移動手段の選択や、関係者が協調したエリアの防災・安全管理などを実現。エリア毎にデジタルプラットフォームを整備し、個人起点での分析と最適化を行なうことでローカルデータ基盤を構築し、オン・オフラインが融合した街での体験を提供していく。

計画中の事例としては、運搬ロボットが実店舗を巡回し、ロボットがニーズに応じた自動集荷を行なうことでリアル店舗のコラボレーションを行なうほか、企業のラウンジや会議室など社内外の共有空間を「街の空きスペース」として在庫管理し気軽に利用できるようにする。デリバリーやテイクアウト、テーブルオーダーサービスなども展開し、複数店舗を跨いだ注文や、どこに居ても注文ができるワンストップオーダーを実現する。

同社はこれらの取り組みにより、従来の物理的接点を前提としたビジネスモデルではなく、リアルとデジタルを融合した新しいUXデザインの実現を推進し、あらゆる地域との連携を通じ、社会全体でオープンな街づくりを推進していくとしている。