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渋谷 宮下公園のイベントをバーチャルでも。DNPのXR「パラレルシティ」
2021年3月23日 13:45
大日本印刷は、リアルの街とバーチャルの街・施設を開発する自治体や施設管理者公認のXRコミュニケーション事業を開始する。渋谷区立宮下公園(5月末)、札幌市北3条広場(4月末)において、事業を展開する空間のオープンを予定している。
VR、AR、MRなど、リアルとバーチャルの融合により現実の地域や施設が持つ価値や機能を拡張させ、新しい体験価値を提供し、地域創生につなげる「地域共創型XRまちづくり PARALLEL CITY(パラレルシティ)」を推進する事業。
DNPはPARALLEL CITY推進にあたり、XRロケーションシステム「PARALLEL SITE(パラレルサイト)」を提供。リアルな場で実施されているイベント等に対し、生活者が時間、場所、環境の制約なくアクセスできるよう、バーチャルによる場の拡張を行なう。
また、1つの場所で、同時に複数の体験を進行させることも可能。利用シーンとしては、コンセプトショップ、展示イベントや発表会、音楽イベントやパブリックビューイング、セミナーやワークショップなどを想定している。
DNPでは、リアルとバーチャルが連動して買い物ができる「リテールテイメント」や、仮想空間での体験や鑑賞を実現する「バーチャル展示会」などを展開しており、これらのサービスとPARALLEL SITEで構築した空間を連動させることで、地域交流の場の拡張を図る。
5月オープン予定の渋谷区立宮下公園では、文化・カルチャーの発信拠点としての渋谷の価値を拡張、進化させることを目的に、リアルと並列(パラレル)した空間を構築。宮下公園パートナーズ、渋谷未来デザインと連携し、リアルな公園とバーチャル空間を連動させ、公共空間の高度利用を目指す。
4月オープン予定の札幌市北3条広場では、広場の指定管理者である札幌駅前通まちづくりと連携。文化・観光・スポーツといった地域の魅力を国内外へ広く発信することで、都市空間の魅力・価値の向上を目指す。
バーチャル空間で参加する場合、まず参加するイベントなどの企画を選んだ上で、アバターを選択。その後は場内を自由に歩き、人と会話したり、感情を表現したりといったこともできる。
DNP 専務執行役員 蟇田(ひきた)栄氏は、XRコミュニケーション事業の3つの柱は「地域共創まちづくり」「生活者コミュニケーション」「企業マーケティング」であると説明。
実在する場所をバーチャル化、ミラーワールドを構築してリアルとバーチャルが連動する仕組みは、インターネット、SNSに続く、第3のデジタルプラットフォームになると述べ、この事業によって地域や施設の価値や機能が拡張する新たなまちづくりを目指すとした。
また、コロナ下でコミュニケーション手段の転換が起きており、新たな手段としてXR技術が普及し、新たな体験を創造していくものであると説明した。
今後DNPは、自治体や地域のパートナー企業などと日本各地の街や施設の公認空間を開発。2025年までに、全国30拠点の構築、公認空間を基軸としたXRコミュニケーション事業および関連事業での100億円の売上を目指す。