ニュース
ヤフー、データ活用で「日本列島総DX化」。検索データのAPI提供開始
2020年11月6日 13:02
ヤフーは、データソリューションにAPI経由でアクセスできる事業者向けの新サービス「DS.API」を11月5日から提供開始した。第1弾は、ヤフーのビッグデータを調査・分析できる「DS.INSIGHT」の機能をAPI経由で利用できる「DS.API -INSIGHT」で、DS.INSIGHTのデータと自社データを組み合わせた分析などが可能になる。
同社は、'19年10月にYahoo! JAPANのビッグデータをブラウザー上で調査・分析できるツール「DS.INSIGHT」を提供開始し、企業・官公庁で活用されている。このデータを、自社データや、大量のデータを収集・分析する「BIツール」経由でも利用可能にするため「DS.API」を開発。5日からBIプラットフォーム「Tableau」との連携を開始した。
DS.INSIGNTは、約200社が利用。通信販売のベルメゾンでは、自社の定量・定性調査に加え、検索データから属性やトレンドを把握して、商品開発のための調査に反映。同社のエコバックの商品開発や販促時に、商品のターゲットである女性の検索行動を参照し、検索で注目度の高いキーワードを抽出。コンパクトや折りたたみのほか、コンビニサイズなどのキーワードを活用した。
また、全国の都道府県・政令指定都市にはDS.INSIGNTの無償キャンペーンを実施。大阪府や長野県、神戸市などでは知事・市長会見時に行動への注意喚起の説明データとして活用された。
ヤフーのデータアナリストがDS.INSIGNTのデータを元に分析・レポートを行なう「DS.ANALYSIS」については、スカパー!の活用事例を紹介した。
スポーツシーズン終了後に解約した人が「競合に流れている」との仮説に基づきデータを分析したところ、解約者に特徴的なキーワードはコロナや補助金、生活保護といったものだった。つまり、解約原因は「競合への流出」ではなく「経済的な問題」だったという。そのため、スカパー!側の対策も、競合を想定したものではなく、継続を促すリテンション施策を強化した。
このようにデータを活用することで、適切な行動の実現や、施策の検討・提案・実行の精度向上を目指すのがDS.INSIGNTやヤフーのデータソリューションの目的。さらに、DS.INSIGNTのデータをAPI提供する「DS.API -INSIGHT」により、自社が持つデータとヤフーの幅広いデータを組み合わせた分析を可能とする。
API対応は、検索データを分析できる「DS.INSIGHT People」のみが対応し、今後順次サポート機能を拡充する。また、DS.INSIGNTへの「購買データ」の搭載や、PayPay加盟店向けのDS.INSIGNT提供なども予定している。
DS.INSIGNT活用に向け、11月5日からは月額10万円で100ライセンス使える「全員DXキャンペーン」も実施。'21年3月まで、DS.API -INSIGHTの料金は、月額基本料(固定)10万円とAPI使用料(従量課金)とし、API使用料は、APIごとに定められたリクエスト単価に応じて算出する(1リクエスト1円から)。
従来は1ライセンスで月額10万円、10ライセンスで月額50万円としていたが、キャンペーンにより100ライセンスまで月額基本料で使えるようにし、企業や自治体のDX化を支援。「日本列島総DX化」を目指す。