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パナソニックとコーセー、肌状態を分析して適した化粧品を提案する鏡
2019年12月6日 13:45
コーセーは、12月17日にオープンする体験型コンセプトストア「Maison KOSÉ(メゾンコーセー)」に、パナソニックが開発している「Snow Beauty Mirror(スノービューティーミラー)」を導入し、共同で実証実験を行なう。
スノービューティーミラーは、利用者の肌状態を分析して数値化し、デジタルカウンセリングと分析結果を組み合わせ、一人一人に合わせてパーソナライズ提案する機能を搭載した鏡。利用者の“理想顔”を見える化するシステムも備えている。Maison KOSÉでは、コーセーが展開する複数ブランドの商品やサービスを提案する。
インターネットやSNSの普及などにより情報があふれ、本当に自分にあった化粧品を選ぶことが難しい場合があるという。そのような悩みの解決策のひとつが、デジタル技術とデータを活用したパーソナライズ提案としている。
スノービューティーミラーの前に座ると、利用者の肌状態を分析し、瞬時に数値化して表示するという。鏡の中に埋め込まれた非接触センサーが、肌表面と表面下の状態を検出。医療機器並の精度で、肌表面のシミ・シワ・ほうれい線・毛穴・肌色のほか、目では見えない隠れたシミも検出する。
デジタルカウンセリングとその分析結果をもとに、コーセーの展開する複数のブランドを横断した商品やサービスから、一人一人に適したものを提案。この機能には、デジタルカメラなどで利用される顔認識技術や、画像処理技術などを応用しているという。
また、コーセーと明治大学との共同研究で開発した遺伝的アルゴリズムに、パナソニックの画像処理技術を掛け合わせて、顔の画像からユーザーの心の中にある、なりたい“理想顔”を見える化するシステムを開発。
スノービューティーミラーの肌分析機能により、毛穴・シミ・シワといった肌質、肌の色味や明るさを高精度に抽出し、そのデータをパラメータ調整することで、約50万通りの顔画像パターンを作成。ランダムに表示した顔画像の中から、好みのものを選択するだけで、“理想顔”を短時間に導き出せるという。
理想顔と現在の状態の差異を見える化するとともに、理想顔に近づけるため、最適なファンデーションの色味や質感、使用方法の提案につなげるとしている。
Maison KOSÉでは、スノービューティーミラーでの提案の1つとして、パナソニックが開発中の「メイクアップシート」技術を応用した「カスタマイズシート(仮称)」も体験可能。
メイクアップシートは、スノービューティーミラーで分析した肌色測色結果にあわせ、独自の印刷技術で一人一人の肌に合わせた色味を印刷した厚さ100nmの超極薄シート。貼るだけで、気になる頬部位・こめかみ部位をカバーできるという。
実証では、このメイクアップシート技術を応用し、パナソニック独自の肌色測色技術および印刷技術と、コーセーの化粧品開発知見との連携により、肌に自然になじむ色味・装着感を実現する「カスタマイズシート」として展開する。