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JR東、東京圏主要路線全駅にホームドア。2032年度末までに

JR東日本は、より安全な駅ホーム・踏切の実現に向けた取り組みについて公表。2020年度第1四半期頃までに新たに15駅、2032年度末頃までに東京圏在来線の主要路線全駅(整備済みの駅を含む243駅)にホームドアを整備していくとした。踏切事故対策に向けた踏切の廃止や障害物検知装置の整備も進める。

2020年度第1四半期頃までにホームドアを整備する駅
2032年度末頃までに整備する線区

ホームドアの整備は、2018年度末までに山手線・京浜東北根岸線を中心に36駅で完了。山手線、京浜東北線の一部(後述の第2四半期頃以降整備駅)を除いた全駅、および中央総武緩行線の代々木駅、千駄ヶ谷駅、信濃町駅、成田線の成田空港駅、空港第2ビル駅は2020年度第1四半期頃までに整備する。このうち京浜東北線の蕨駅については、「スマートホームドア」を整備。

2020年度第1四半期頃までに新たに使用開始時期が決まったホームドア整備駅

山手線の渋谷駅、新宿駅、京浜東北線の大宮駅、与野駅、東十条駅、上中里駅、田端駅、日暮里駅、鶯谷駅、浜松町駅、田町駅、川崎駅、新子安駅は2020年度第2四半期頃以降の整備を予定。

また、点状ブロックについて、ホーム内側部分に線状突起を設けてホームの内外が分かるようにした「内方線付き点状ブロック」を、1日あたりの乗降人員が1万人以上の358駅全駅にて整備完了。3千人以上1万人未満の駅については、82駅にて整備が完了しており、残りの121駅について、2020年度末までに完了することを目指す。

内方線付き点状ブロック

CPラインの整備も拡大。CPラインとは「Color Psychology(色彩心理)」の略で、人が危険と感じる度合いが高い色彩を用いてラインを引くことにより、視覚的・心理的にホーム端部の危険性に対して注意喚起を行なうもの。56駅128番線の整備が完了しており、2019年度末まで累計88駅258番線の整備を計画している。

CPライン

踏切事故対策については、立体交差化や統合整理など踏切廃止に向けた取り組みを進めており、2018年には17カ所の踏切を廃止。2019年度も継続して踏切廃止に向けた取り組みを推進する。

また、障害物検知装置や全方位警報灯の整備を計画。踏切内に立ち往生した自動車等を検知して列車に知らせる障害物検知装置には、複数の光軸で踏切全体を検知するレーザー式とレーザレーダにより踏切全体を検知する3次元レーザレーダ式等がある。

レーザー式障害物検知装置(左)、3次元レーザレーダ式障害物検知装置(右)

2018年度末時点で約2,800踏切に障害物検知装置を整備しており、このうち3次元レーザレーダ式は約800踏切に整備。3次元レーザレーダ式において、従来の機能に加え、転倒した人の検知性能を上げるなど、高機能化を進め、検証結果を踏まえて導入可能な機能を順次適用していく。

踏切警報灯については、視線が下がる傾向にある高齢者や、側道から踏切に進入する自動車のドライバー等が見やすい「全方位警報灯」への置換え整備を推進。2018年度末時点で約1,400踏切に整備しており、2019年度においては約400踏切への整備を計画している。

従来の警報灯(左)、全方位警報灯(右)

そのほか、ホーム上の確認モニタにおける高解像度ITVの整備、駅ホームにおける画像認識技術等の活用によるホームからの転落の検知や、踏切における自動車業界等との連携によるITS技術の活用を推進する。