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東海道新幹線に、寒い季節のパンタグラフ損傷を防ぐ新技術
2018年12月6日 21:32
JR東海は、東海道新幹線において、架線への氷や霜の付着(着氷霜)に起因するパンタグラフの損傷を防止するため、着氷霜をリアルタイムで検知し、車両の加速を自動的に制限する日本初の技術を開発。12月から2019年3月までN700Aタイプ10編成で試行する。
東海道新幹線では、冬季期間、パンタグラフの損傷を防止するため、米原から京都の間を中心とした区間において、着氷霜が認められる場合に、現状では運転士の操作により加速を制限して運転している。
通常走行時、車両はパンタグラフが架線と接触することで電流を取り入れる。架線に氷や霜が付着していると、架線とパンタグラフが一時的に離れ、アークが発生。その際、加速するために架線から大きな電流を取り入れようとすると、アークによってパンタグラフが損傷する恐れがあるという。
現状では、係員が始発前の点検で着氷霜を認めた場合、当該区間を含めたあらかじめ定められた一定の区間を運転士の操作によって加速を制限することで、パンタグラフに流れる電流を低減し、パンタグラフの損傷を防止している。
開発されたのは、パンタグラフ状態監視システムの電流センサーを通じて、着氷霜によって生じる電流の乱れの有無を常時監視。架線への着氷霜を検知した場合は、車両が自動的に加速を制限し、架線から取り入れる電流を低減する技術。
パンタグラフに電流センサーとカメラを設置し、電流センサーでパンタグラフが架線から取り入れる電流を測定。カメラによるパンタグラフの状態の確認もできる。
着氷霜検知がリアルタイムとなることでパンタグラフ損傷リスクの低減が期待できると同時に、着氷霜区間のみに絞って加速を制限するため、列車遅延の短縮にもつながるとしている。
試行した後は、2020年度の導入を目指すという。