Windows XP Professinalのリモートデスクトップ機能を使い始めて便利になったのは、メーラーの一元化利用による管理だけではなかった。デスクトップPCとノートPCでのファイルのやり取りにも活用できるのである。これまで、自宅のデスクトップPCで編集途中のテキストファイルや画像ファイルは、ブリーフケースを使ってノートPCとやり取りしていた。
このブリーフケースという方法自体になんら不満はなく、メーラーの一元利用をリモートデスクトップ経由で行なうようになってからも続けていた。しかし、よくよく考えてみれば、リモートデスクトップで接続している時は、基本的にデスクトップPCのすべてのファイルにアクセスできるわけだ。このことに気付いた時、さらにもう一歩進んだファイルの管理方法を試し始めた。
ノートPCからデスクトップPC側にあるファイルに自由にアクセスできれば、仮にファイルを持ち出し忘れても、ネットにさえ繋がればノートPC側で編集できるし、企画の打ち合わせの時に「そういえばこの前のあの時ってどういう風にしたんだっけ?」などと突然返された時でも、今までのように「すいません、今手元にないんで分かんないッス……家のマシンにはちゃんと残ってるんですけど……」などと用意の悪さを自己嫌悪しなくてもすむのだ。つまりは、ネット経由のリモートデスクトップ機能で、自宅の過去データにアクセスできるので、該当のファイルを探して開いてしまえば問題は解決するわけだ。さらに付け加えれば、ノートPCとデスクトップPC、双方に別々のアカウントでWindows
Messengerを入れておけば、ドラッグ&ドロップだけで遠く離れた自宅のデスクトップPCにあるファイルを、手元のノートPCに入れられる。まさにリモートデスクトップ機能を使った1人P2P(?)という離れ業だ。 |
外出先のノートPCから自宅のデスクトップPCにアクセス。リモートでファイルを探す
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データを閲覧するくらいならば、ノートPCにダウンロードしなくてもリモートのまま、ファイルを開いてしまえばいい |
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そんなわけで最近私は、デスクトップPCとノートPCとの連携にはほとんど悩むことがなくなった。PCの問題よりもむしろ、リモートデスクトップやインターネットを快適に使うため、公衆無線LANサービスに対応したカフェやファーストフード店を探すことのほうが仕事をする上で重要な要素にすらなってきている。
ちなみに、公衆無線LANサービスの場合、不特定多数のユーザーが同じアクセスポイントに接続し、LANを構成することになる。共有フォルダ機能を利用している場合は特に、見知らぬ利用者に自分のコンピュータの中身を覗かれる可能性があるので注意したい。私は、公衆無線LANサービスを利用するノートPCでは、Windows
XP標準で利用できるパーソナルファイアウォール機能を必ず利用するようにしている。
その際のノートPCの設定の仕方について触れておこう。スタートメニューの「ネットワーク接続」から、インターネット接続に利用しているネットワークアダプタを選択する。公衆無線LANサービス利用時のセキュリティなので、当然、ここでは無線LANデバイスが対象になる。そこから「プロパティ」を開き、「詳細設定」にある「インターネット接続ファイアウォール」のチェックボックスをオンにするだけでOKだ。
デスクトップPCについても、ルーターを介さずに直接PCとADSLモデムを接続している場合はパーソナルファイアウォール機能を利用することをオススメしたい。やり方はノートPCの時と同じように、インターネット接続に利用しているネットワークデバイスのプロパティから設定していけば大丈夫だ。
方法こそ簡単だが、何もしなかった場合とセキュリティは比べものにならないほど向上する。なお、そのままだと肝心のリモートデスクトップが使えなくなってしまうので、「設定」をクリックして、「リモート
デスクトップ」のチェックボックスをオンにしておくことも忘れずに。これでリモートデスクトップに関する外部接続は受け付け、共有フォルダへのアクセスやWindows
Messengerのファイル転送など、メールやWebを除くリモートデスクトップ以外のアクセスを拒否するようになる。 |
パーソナルファイアウォール機能はネットワークアダプタのプロパティから設定する
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ここで「リモートデスクトップ」にチェックを入れないと、リモートデスクトップ機能でのやり取りができなくなってしまうので要注意 |
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ここでは2つの活用法をお届けしたが、リモートデスクトップ機能はモバイル環境と組み合わせることで単なる遠隔操作に留まらず、サーバーに接続することで様々な能力を発揮する、ネットワークコンピュータ的な使い方が可能だ。Windows
XP Professionalをお使いで、しかも複数台を併用しているような方ならば、ぜひ、自分なりの便利な使い方を追求してみて欲しい。 |
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