NEC Direct最前線


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【05.03.17】

バランスのとれたプロフェッショナル・スマートモバイル
NEC Directオリジナルモデル
LaVie G タイプJ










バランスのとれたプロフェッショナル・スマートモバイルNEC Directオリジナルモデル Lavie G タイプJ
 NECのLaVieといえば、押しも押されもせぬ国産ノートPCの代名詞である。上はLaVie TW/Tといったワイド液晶搭載のハイエンドノートから、ミドルクラスのLaVie L ベーシック/アドバンストタイプ、モバイル向けのスリムA4ノートLaVie RX、コンパクトでスタイリッシュなデザインのLaVie Nが用意され、他にNEC DirectオリジナルモデルとしてAthlon 64を搭載したLaVie G タイプLと、超低電圧版Pentium Mを搭載したLaVie GタイプJというわけで、合計8モデルが上から下までマーケットの要求を完全に網羅している。

 その中で今回紹介するのは、最後に触れたLaVie G タイプJである。12.1インチ液晶を搭載した薄型モデルながら、バッテリ寿命も長く、性能面でも妥協がなく、しかも約1.38kgという軽量を誇る製品である。

使いやすいレイアウトやキーボード

  本体の大きさは幅272mm×奥行き237.5mm、厚みは25.2mm~27.2mm。奥行きはややあるが、幅はA4より少し小さい程度であり、カバンやバックパックにすっぽりと入るサイズ。妙な突起部もないし、上蓋にはロックが掛かるから、中で蓋が開いてしまう心配もない(Photo01)

 液晶パネルは12.1インチとモバイルノートにしては大きめの液晶を装備している。持ち運びを考えればこれ以上大きいのはむしろ嬉しくない(Photo02)。持ち運びが多い場合、案外気になるのが本体の強度。特に液晶パネル脇のフレームが折れたなんて話は頻繁に聞くが、LaVie G タイプJの場合そもそも幅/厚みともにある上、リブ付きとなっているため、そんな心配はない。





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【Photo01】
外観はシルバーとブラックのツートンカラー。シルバー部はつや消し塗装が施された落ち着いた色合いで、個人的には割と好みである。





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【Photo02】
蓋を開くとカラーは完全にマットブラック。悪くない印象である。



 キーボードもなかなか良い具合だ。キータッチ自体はややソリッドな印象だが、ストロークも十分にあるし、きちんと腰を感じられるのはキー押圧の高い筆者には嬉しい部分だ。余談ながら、パームレストのディンプル加工のお陰で、手のひらをパームレストに置いても貼り付く感じがしないあたりも、長時間の利用には嬉しい(Photo03)

 NXパッドもまたちょっとした驚きだった(Photo04)。筆者はマウスを常用するのでタッチパッドはあまり使わないのだが、NXパッドのスクロールスイッチに関しては、実に使いやすかったことはお伝えしておくべきだろう。結局机に向かって使っている時にはマウスを併用したが、ベッドなどに寝転がっている時はNXパッドだけで済ませてしまったほどである。





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【Photo03】
数字/アルファベットキーをきちんとしたキーピッチで確保していながら、妙な配列になっていない点は非常に嬉しい。特にIns/Delの位置がここにあるのは大満足。




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【Photo04】
左右ボタンの感触も悪くなかった。



 ちなみに本体背面はACアダプタのコネクタのみが配され、周辺機器への接続は両側面で行う。向かって左(Photo05)にはLAN/Modem、USB、Mic/HeadPhone、CF、PCカードが接続でき、向かって右(Photo06)にはIEEE1394、USB×2、外部モニタ出力が配される。これらの中で嬉しかったのは、CF用に専用コネクタが用意されていること。

 アクセス速度も速く、わざわざCF用アダプタを使わないで済む(デジカメにOlympusのE-1を使っている関係で、メディアはCF一本槍である)のは非常に嬉しい。また左右にUSBのコネクタが配されているので、着脱が簡単である(これが裏面だと、一度蓋を閉めないと手が届きにくい)。





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【Photo05】
USBの左にあるのは、専用オプションの光学ドライブ(DVDスーパーマルチドライブなど)用の電源供給コネクタ。




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【Photo06】
外部モニタ出力が標準の15pinコネクタというのも、実は嬉しいところ。省スペース優先のため、変換コネクタを使うタイプの製品も多いが、外部出力を使おうという時に限って変換コネクタを持ち合わせてなかったり、行方不明だったりするからだ。これは筆者だけではあるまい。





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【Photo07】
このバッテリは本体よりやや厚みが持たされており、この結果キーボードが軽く前傾姿勢を取る。

 ちなみにバッテリは本体後側に装着する形を取る(Photo07)。標準で用意されるものは11.1V・4800mAhのもので、公称のバッテリ駆動時間は約5.4時間となっている。

 ただ、これで不足するのであれば、オプションのセカンドバッテリを本体の下に取り付けることで、電池寿命が倍増するから、長時間利用でも安心である。


選べる多彩なオプション

 NEC Directオリジナルモデルであるから、当然様々なオプションが選択できる。CPUは1.1GHz駆動の超低電圧版Pentium M 733Jで固定だが、メモリは256MB/512MB/1GBの増設が可能、HDDは40/60/80GBを選択できるほか、FDDや光学ドライブ、無線LANなどが内蔵オプションとして選択できる。

 まずはメモリだ。さすがに標準の256MBだけでは、Windows XPは動いてもアプリケーションまでは満足に動かない。ましてやLaVie G タイプJではビデオRAMがメインメモリと共用であるので、なおさらその傾向は強い。最低でも256MBを追加して512MBメモリにしたいところで、予算があれば512MBか1GBの追加も悪くないと思う。(このあたりは使い方次第。筆者の場合、Photoshopでのレタッチ作業が多いことを考えて1GB追加を選んでみた)。

 HDDは80GBでも割とリーズナブルである。最近筆者の場合、メールと原稿、資料のバックアップが40GBを超えているので、迷わず80GBとした。2.5inchのドライブを使っているので、その気になればショップなどで購入して入れ替えることも不可能ではないが、買いなおすくらいなら最初から大容量のものを選んでおくほうが安上がりだし、メーカー保証もなくならないのでおすすめである。




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【Photo08】
外出先のホテルで。一番上が筆者のアクセスポイント。

 無線LANの選択がちょっと面白い。NEC Directでは無線LANなしか、AtherosのSuperAGに対応した802.11a/b/g トリプルバンド無線LANカードの選択となる。IntelのPro/WirelessシリーズではないのでCentrinoのロゴシールはマシンに貼られないわけだが、実際問題としてそれが利用状況に関係することは全くない。実際、あちこちに持ち歩いて使ってみたが、接続できないことは一度もなかった(Photo08)

 光学ドライブに関しては、CD-R/RW with DVD-ROMだと21,000円、DVDスーパーマルチドライブでも36,750円で購入できる(※価格は3月17日現在)。もう既に持っているからいらないという人は無理に買う必要はないだろうが、まだ持っていないのであれば一緒に購入しておけばなにかと便利だ。しかもこれらの専用オプションの光学ドライブは本体左側面のコネクタから電源の供給を受けられるのでACアダプタいらずで使えるのも便利である。




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【Photo09】
本体底面のネジを外すと簡単にアクセス可能。左がメモリ、右が無線LANである。無線LANは日本では電波法の絡みもあってそれほどminiPCIモジュール単体での入手性がよくない上に、5,250円(※価格は3月17日現在)でトリプルバンド品が入手できるから、一緒に買っておくのが絶対にお得である。

 ちなみにソフトウェアなどに関しては以前ご紹介したVALUESTAR G タイプTX同様、OSのほかにソフトウェアパック、オフィスソフト、その他を個別に設定できる。筆者の場合は自宅にWindowsドメインを構築しており、そのドメインに参加させる関係でWindows XP Professional日本語版にミニマムソフトウェアパックという構成を選んだが、このあたりは各人の好みで決めるべき部分だろう。

 ちなみに今回の構成例での合計価格は286,650円(税込・送料別)。やはりメモリ1GB追加とDVDスーパーマルチドライブ購入が大きく響いた部分で、これを仮にメモリ256MB追加、光学ドライブなしにすると182,700円(税込・送料別)ということで、10万ほど金額が落ちる(※価格はいずれも3月17日現在)。今はまだメモリが高価(特に1GBのPC2-3200メモリは極端に高価)なので、当座は256MBの追加程度にとどめておき、後からメモリを交換なんていうのが確実な方法かもしれない。ちなみにメモリの着脱はきわめて簡単である(Photo09)


行き届いた使い勝手への配慮

 当然といえば当然のことながら、通常のWindowsマシンである以上、使い勝手はWindows XPのそれになるわけで、この点ではさして違いはない。まぁそれゆえ、他のマシンから乗り換えても違和感なく使えるわけであるが。ただ、そういう話とは別に、色々感心した部分が多かったのは事実なので、いくつかご紹介したい。

 まず最初にちょっと感動したのはACアダプタ。サイズ自体も小ぶりで持ち歩きに向いたものだが、それよりも特筆すべきは2種類のコンセント部が用意されていること。通常はACケーブルを接続する訳だが、この代わりに専用アタッチメントで直接コンセントに接続することも可能になっている(Photo10)。これが何で嬉しいかというと、余分にケーブルを這いまわらせる必要がないこと。コンセントが離れた場所にあるときにはケーブルの方が嬉しいが、すぐ目の前にコンセントがあったりするとケーブルは邪魔なだけである。こうした場合にはアタッチメントを使った方がすっきり配置できる(Photo11)





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【Photo10】
ACアダプタの左から出ているケーブルを抜き、代わりに上にあるアタッチメントを装着する。




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【Photo11】
出張先のホテルの部屋で。スタンドライトの根元にコンセントがあるので、そこに直接ACアダプタを固定できる。





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【Photo12】
Photo11で無線LANのアクセスポイント兼用ルータがあるのは、これがやりたいからだったりする。勿論LANケーブルを繋いでもいいのだろうが、面倒である。

 省電力モードの場合の発熱の少なさも、嬉しい点の一つ。出張先では、寝る際に枕もとにノートを置いておくことが多い。寝っ転がりながらメールのチェックができて便利なのだが、本来ノートはベッドの上において使うことを考慮していないケースが多いので、Photo12の様な置き方をすると朝にはマシンが結構熱くなっていることも多い。ところがLaVie G タイプJでは省電力動作にさせておけばそんな気配が微塵もないのは、やはり放熱設計がうまいせいだろうか? そんな使い方が悪い、と言われればそれまでなのだが、やはりちょっとLaVie G タイプJの省電力性が嬉しいところだ。

 省電力に絡んでもう一つ。動作速度はタスクトレイに置いたユーティリティで即座に切り替えできるのだが、この際には画面にわかりやすく「どういうプロファイルで動作し、CPUなどがどういうモードで動作するか」が表示される(Photo13)。その「プロファイル」も、様々な要素を細かく設定できるほか、新規にプロファイルを作って管理することも可能だ(Photo14)。コントロールパネルの電源管理にも、LaVie G タイプJならではの項目が追加されているあたりも、電源管理に細かく気を配っていることがわかる(Photo15)




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【Photo13】
壁紙は筆者宅の初代猫の「ぐるぐる」。



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【Photo14】
省電力に関係する部分がまとめて設定できるあたりが優れもの。しかも、AC動作時とバッテリ動作時できちんと分けて管理可能だ。



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【Photo15】
Windows XPには標準ではこんな機能はない。少しでも長時間使うための配慮、ということだろう。

 他に筆者に嬉しかったのは、LANがGigabit Ethernet対応なこと。普通に使う分にはあまりメリットはないのだが、出発直前の慌しい時間に、サーバーとファイルの同期を取る際にはその威力を発揮した。実際、40GB分の同期を取るのに必要な時間は他に筆者が所有するノートの半分以下だった。これは間違いなく大きなメリットである。

 性能という点では1.1GHz駆動のPentium Mそのものといったはずなのだが、初代のPentium M 1.3GHz(Baniasコア:1MBキャッシュ)搭載マシンと比較すると、LaVie G タイプJの方がやや高速に感じるのは、2MBキャッシュを搭載したDothanコアのCPUだからという以外に、メモリにPC2-3200を利用するため、FSBとメモリ帯域がマッチしていることもあるのかもしれない。厳密なテストを行ったわけではないが、体感ではLaVie G タイプJの方が快適であった。


そんなわけで

 2週間弱、あちこちに持ち歩いて使った感想を率直に言うと「使いやすい」。厚みがそれほどないので持ち運びも楽だし、性能にも満足である。実際、無線LANを繋ぎっぱなしにして、ブラウザを使いながら、時折メールチェックしつつ、原稿を書くなんて使い方だと、標準バッテリでも楽に4時間以上電池が持ったのも気に入ったところだ。

 ちょっとした取材程度なら、セカンドバッテリの必要は感じないだろう。持ち運びできるサイズのノートが欲しいという人であれば十分小さいし、その割にパワフルである。1kg台前半のインテル(R) 915GMマシンは、3月現在ほかでは入手できない状況なので、この「LaVie G タイプJ」を広くお勧めしたい。

Interview & Text by 大原 雄介



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