肉体の愛と感情の間で揺れ動く悩めるヒロインを演じたキャロリーヌ・デュセイ。これまでに『倦怠』をはじめ、いくつかの作品に出演した経験があるものの、本作品で200人の候補者の中から選ばれ、今回はじめて主役をつかんだ。映画の中ではほどんど笑顔を見せず淡々と愛を探るマリー役だが、キャロリーヌ自身ははにかんだような笑顔が印象的な魅力溢れる女性。監督をして「彼女との出会いは運命的だった」と言わしめ、期待に応え見事に難しい役どころを演じきった。
初めて監督と会った時からお互いが分かり合えたというキャロリーヌ。本作で主役を演じることが決まった後、映画のシナリオを読みながら、自分が今まで探していたもの、素晴らしい役柄に出会えたということで感激の涙をも流したという強い感受性の持ち主だ。彼女自身、映画で描かれている「女性の性の解放」について強い考えを持っている。 「これはとても革命的な映画ね。女性は解放され、男性に頼って生きていかなくてもいい時代になったというけれど、実はまだそれ程でもないと脚本を読んで感じたんです。女性にだって欲望はある。たぶん男性よりも。宗教的な理由もあって特に欧米では、女性は男性のように欲望を持つことを禁じられて来ました。でもそんなものはナンセンス。平等になるかどうかが問題なのではなく自由になることに意味があるんです。男女が互いに自立することが大切なんです」。
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