いつモノコト

手ぶらで仕事も読書も効率化 「USBフットペダル スイッチ」が便利

サンワサプライの「USB有線フットペダル スイッチ」

リモートワーク時代になり、自宅にこもって作業する時間が増えたことで、いかに自宅の作業環境を快適かつ効率的にするかが筆者のささやかなテーマになっているのですが、その中で最近気に入っているのが、サンワサプライの「USB有線フットペダル スイッチ」です。

フットペダルは以前にも導入したことがあったのですが、その時は自宅で作業する時間がそこまで多くなかったため、使いこなせず終わってしまいました。最近、自宅で作業することが増え、作業効率を上げるツールを模索していたことと、僚誌PC Watchに掲載された本製品の記事がはてなブックマークなどで話題になっているのを見て「そういえばフットペダルってあったな」と思い出し、今ならもっとうまく使いこなせるのでは、と再度挑戦することにしました。

PC Watchの記事が話題になったせいか、発売直後は製品が売り切れに。フットペダルはサンワサプライ以外の製品もあるのですが、設定ソフトなどはサンワサプライがよさそうかな、という勝手な印象に基づき、在庫が回復したタイミングで購入。購入時の価格は5,280円でした。

キーボード・マウス操作、テキスト入力やショートカットを割り当て

利用の際はフットペダルのUSBケーブルをパソコンに接続し、製品のWebサイトから専用ソフトをダウンロードしてインストールします。なお、専用ソフトはWindowsのみでmacOSは非対応ですが、設定内容はフットペダル本体に記録されるため、Windowsで設定してからmacOSで使うのは動作保証対象外ながらも利用可能とのことです。

専用ソフト

フットペダルのボタンは3つあり、それぞれにキーボードのボタンやマウス操作に加え、最大38文字までの英数字、音量や再生/一時停止などのショートカットを割り当てられます。キーボードはCtrl+Vなど複数のキーを組み合わせられるのはもちろん、マウス操作はクリックだけでなく縦横やスクロールの移動距離まで設定できます。

キーボードのキー割り当て
マウス操作はマウスの移動距離も設定可能
38文字までの英数字
各種機能のショートカット

スクリーンショットやページ送り、繰り返し操作を割り当て

機能よりも実際に大事なのは実際にどんな操作を割り当てるか。3つしかないペダルに何を割り当てるかは悩んだのですが、「利用頻度が高い」「3つ以上のキー押しで操作が煩雑」「手を一切使わない」という視点で最初に設定してみたのが、「Shift+Windows+S」「←」「→」でした。

「Shift+Windows+S」はWindowsに標準搭載されたスクリーンショット機能ですが、ボタンを3つ押すのが片手では大変なため毎回両手で押しており、そのためにマウスから手を離してキーを押してまたマウスに戻る、という一連の流れが地味に時間がかかっていました。1日の作業の中でも利用頻度が高かったこともあり、ペダルに割り当てたことでキーボードとマウスの行き来がなくなり、わずかながらも作業が楽になりました。

操作イメージ

残りの左右割り当ては仕事ではなく読書用。最近は電子書籍をスマートフォンではなくパソコンで読むことも多いのですが、ほとんどの電子書籍は左右ボタンでページをめくることができるため、一切手を使わず読書を進められます。飲み物を飲んだり、食事しながら電子書籍を読めるのが、地味に便利でした。

また、別の時にはひたすらCtrl+Vで貼り付け操作を繰り返す作業があったのですが、途中で腕が疲れてきてしまったタイミングでフットペダルを思い出し、今までの設定をリセットしてCtrl+Vを割り当てたところ、作業が一気に楽になりました。フットペダルは便利になるだけではなく作業負担を軽減するという点でも役立ちそうです。

「どんな機能を割り当てるか」考えるのが一番の課題

便利に使っているフットペダルですが、欲を言うと便利なのでもっとペダルを増やして欲しいところ。ペダルが増えすぎるとどれを押していいか分からなくなる、というのもありそうですが、3つのペダル割り当てを1セットにして登録しておき、作業に応じて割り当てを切り換えられるだけでも便利になりそうです。

また、ペダルは押し間違え防止のせいかやや堅めで、しっかり踏み込まないと動作しません。1回だけの操作ならそこまで問題ないのですが、先ほどのCtrl+Vを連続入力したいというときは毎回踏み込むと大変なので、自動車の半クラッチの感覚で半分だけ押し込んだ状態をキープして連続入力しました。このあたり踏み間違えの可能性は増えるものの、もう少し踏みやすいペダルの製品も便利そうです。

ペダルをしっかり踏み込まないと動作しない

そして一番の課題は「このフットペダルに何を割り当てたら一番便利になるのか」ということ。

前述した割り当ても十分便利なのですが、どんな機能を割り当てたら便利になるかを自分なりに考えなければいけないのが、本製品を使う上でのハードルかもしれません。先ほどのようにモード切替があれば、メーカー推奨の割り当てを初期設定でいくつか用意しておけそうです。そういった機能拡張も期待したいところです。

一度は試してうまく使いこなせずに終わったフットペダルですが、改めてきちんと使うと予想以上に作業が捗り、さらに作業の負担も減ることが分かりました。仕事はもちろん、読書や動画鑑賞、音楽鑑賞、ゲームの操作などを割り当てても便利そう。製品の仕様上持ち歩きに適してはいないので、自宅やオフィスなど決まった場所で操作することが多い人は試してみてはいかがでしょうか。

甲斐祐樹

インプレス記者から現在はフリーライターに。Watch時代にネットワーク関連を担当していたこともあり、動画配信サービスやスマートスピーカーなどが興味分野。個人ブログは「カイ士伝