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グーグルに公取委が「排除措置命令」 検索アプリ搭載条件を問題視

公正取引委員会は4月15日、米Googleに対し、独占禁止法第19条に違反する行為があったとして排除措置命令を出した。対象となったのは、Androidスマートフォンへの検索アプリやブラウザの搭載に関する契約で、他の検索サービス事業者を排除する内容が含まれていた。

命令の対象は、Googleがスマートフォンメーカーなどと締結していた「Mobile Application Distribution Agreement(本件許諾契約)」と「Google Mobile Revenue Share Agreement(本件収益分配契約)」の内容。同社は、スマートフォンにGoogle Playをプリインストールする条件として、自社の検索アプリ「Google Search」やブラウザ「Chrome」を初期ホーム画面やアプリドックに配置し、Chromeを既定のブラウザに設定するよう求めていた。また、Chromeの検索設定にはGoogle検索をあらかじめ選択しておくことを条件とし、他の検索サービスや移動通信事業者のホームページなどを、利用者に提案したり奨励したりしないよう求めていた。

これらの契約は、2009年頃からGoogleの子会社を通じてスマートフォンメーカーと締結されていた。2024年12月時点では、6社との間で本許諾契約が継続しており、同契約は、国内で販売されるAndroidスマートフォンの約8割に影響していた。また、収益分配契約では、Googleの検索広告による収益の一部を端末メーカーや通信事業者に分配する代わりに、他社の検索サービスを実装しないことを条件としていた。

公正取引委員会は、こうした条件が他社サービスの排除につながり、公正な競争を妨げていると判断。Googleに対してこれらの条件の中止、社内周知や社員教育の徹底、独立監視機関の設置などを命じた。監視は今後5年間にわたり継続される。

これに対しGoogleは同日、公式ブログで見解を発表。「公正取引委員会の調査結果に遺憾の意を表明する。排除措置命令は、Googleのアプリ配信/プロモーションのための契約に重大な変更を求めているが、日本のスマートフォンメーカーや通信事業者は、Googleとの取引を強制されておらず、Googleが最高のサービスを提供していることを踏まえ、事業や日本のユーザーにとって最良の選択肢として、自らGoogleを選択している。任意に締結された契約は、競争を阻害せず、消費者の選択肢を減らすこともなく、日本のモバイル エコシステムを支える重要な基盤となっている」と反論。「当社と日本のパートナー企業との契約は、競争を促し、各社の製品イノベーションへの投資を促進することで、消費者の皆様により多くの選択肢を提供してきた。今回の命令を精査し、今後の対応を慎重に検討する」とコメントしている。