ニュース

JR東日本、新幹線輸送「はこビュン」で個人向けなど本格展開

JR東日本は、荷物輸送サービス「はこビュン」において、営業列車の客室や荷物輸送専用車両を活用した大口荷物の定期輸送サービスを開始。順次ネットワークを拡大することで、荷物輸送ニーズにあった新たな物流サービスを提供し、個人向けサービスも拡充する。また、大口荷物へ対応するためE3系新幹線車両の改造も行なう。

輸送対象は、北海道・東北・秋田・山形・上越・北陸の各新幹線、在来線特急、在来線。輸送単位は1箱単位の小口から大口輸送までの対応を視野にいれ、今回は東北新幹線において100箱単位での事業化に着手する。

「はこビュン」は、法人向けサービスで利用には事前に契約締結が必要。輸送料金は新幹線で5箱以下が1箱3,300円で、新たに開始する大口・車両貸での価格は1車両104,500円から。

法人・個人向け輸送の「はこビュンQuick」は、事前予約不要で直接駅カウンターへ持ち込んで利用する。輸送料金は、3辺合計60cm以下、3kg以下の場合1,010円など。

また、これまで申込みは商談や電話・メール等での予約・受付のみだったが、法人向けは4月から、個人向けは年度内にJRE MALLの予約システムを活用することで利便性を向上させる。これにより予約受付から荷物の積み下ろし、他の物流企業等とのファースト・ラストワンマイルのトータルコーディネートを行なう。

JR東本が行なった試算では、新青森-東京間(約700km)で新幹線車両2両分となる約4t分の荷物輸送を1年間、トラック1台で行なった場合と、新幹線+トラックの短距離輸送で行なった場合と比較すると、トラックドライバーの拘束時間が12,928時間から2,190時間相当に削減されるほか、CO2排出量は212tから20tへ削減できるとしている。

輸送ネットワークも拡大し、これまでに始発終着駅間かつ列車限定での輸送だったが、今後は、途中駅での取り扱いも含め新幹線全列車に対象を拡大。大口輸送に関しては、4月18日より東北エリアから首都圏へ土休日を除く毎日輸送を行なう。また秋田・山形・上越新幹線など各方面、特急電車等を含め「はこビュン」ネットワークを拡大し、輸送サービスを展開する。

定期運行化に向け、車両の改造も行なう。E3系新幹線1編成の全号車を荷物輸送専用車両として改造(床面フラット化)。2025年秋の東北新幹線盛岡・東京間上り列車での平日定期運行を皮切りに、車両基地を活用した100箱単位、最大で1,000箱程度のさらなる大口輸送も定期化していく。