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東急不動産、マンション・オフィス・スキー場で不要の衣料・雑貨回収

東急不動産ホールディングスグループは、マンションやオフィス、 スキー場などで、衣料品・雑貨品回収サービス「R-LOOP(アールループ)」の展開を開始した。対象68施設に回収ボックスを設置する。

R-LOOPは、BPLabおよびブックオフコーポレーションが展開する循環型衣料品・雑貨品回収サービス。東急不動産グループでは、東急不動産、東急コミュニティー、東急リゾーツ&ステイが展開・管理する施設に回収ボックスを設置する。

東急不動産グループではサステナビリティ経営の推進の一環として、24年11月に社会課題を自分ごととして捉えるための体感イベントを実施し、その際にR-LOOPの回収ボックスの常設を見据えてスタートしている。

グループで保有・管理するオフィス40施設、マンション24施設(賃貸・分譲マンション)で施策を開始し、25年1月時点で計64施設での回収を実施。11~12月の2カ月間での回収量は約3,386kgとなった。そのうち、衣料品約2,595kgの100%がリサイクルされるという。

同グループの分譲マンション「BRANZ」の販売現場では毎月2,000足以上のスリッパが廃棄されていたという課題に対し、来場者用スリッパをリサイクルする仕組みを23年11月より導入。今回、BPLabと連携し、顧客が資源の循環をより実感できるサービスとして、スリッパから繊維を再生し、繊維でエコバッグを作成して、引渡前の内覧会時に契約者へプレゼントする取り組みをスタートしている。

スキー場での回収については、スキー用品は雪山という過酷な環境で使用されることから、軽微な損傷や撥水性能の低下だけで買い換えられることが多い。雪山以外のタウンユースには十分耐えられるにも関わらず廃棄されることを課題とし、25年1月より東急リゾーツ&ステイが運営する東急スノーリゾートの4カ所のスキー場に回収ボックスを設置して、不要となった衣類や雑貨を回収している。

設置スキー場はハンターマウンテン塩原(栃木県那須塩原市)、たんばらスキーパーク(群馬県沼田市)、タングラムスキーサーカス(長野県上水内郡信濃町)、スキージャム勝山(福井県勝山市)。設置場所は各スキー場エントランス、設置期間は3月31日まで。回収用品は衣類全般、パスケース、ゴーグル、サングラス。

国内のアパレル製品は、22年時点では年間約79.8万トンが供給され、約48.5万トンが廃棄されているとの推測がある。人の手に渡ったアパレル製品についても、約68%が可燃ごみ・不燃ごみとして手放されているとという。

BPLabでは、経済産業省指定団体である日本再生資源事業協同組合連合会指定のリサイクル化証明書の運用を行なっている。集まった衣料品について燃やす、埋める等をしない100%リサイクルの証明を行ない、資源のトレーサビリティを確保した回収プラットフォームを提供している。

東急不動産グループは23年12月に締結したBPLabとの契約を通じて、10施設で試験的に回収サービスを導入。トライアルを重ね、BRANZをはじめとした利用者からも好評で、資源循環を身近に行なえるライフスタイルが受け入れられると判断して、拡大の検討を開始した。その後、24年11月にBPLabとブックオフの協業スキームであるR-LOOPが完成し、東急不動産グループ施設にて展開を開始した。