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OpenAI、最新推論モデル「o3-mini」提供開始 じっくり考えながら高速
2025年2月1日 10:44
OpenAIは31日(米国時間)、推論性能に優れ、コスト効率の高い最新モデル「OpenAI o3-mini」を提供開始した。ChatGPTとAPIから利用可能で、小規模で高速ながら、特に科学、数学、コーディングに強みを発揮するという。また、OpenAI o1-mini相当の低コストと低レイテンシも維持している。
ChatGPT Plus(20ドル)、Team、Pro(200ドル)のユーザーは31日からo3-miniにアクセス可能となり、Enterpriseユーザーは2月から利用できる。o3-miniはモデル選択画面で選択可能。PlusとTeamでは、1日あたりのメッセージ数の上限を、o1-miniの50件から、o3-miniでは150件に引き上げるほか、o3-miniでは、関連するWebソースへのリンク付きの最新回答を検索で見つけられるようになる。
また、無料のChatGPTでもチャット画面で「理由(Reason)」を選んで、o3-miniを利用できる。(o1など)推論モデルが、無料プランで利用可能となるのは今回が初。
o3-miniは、24年12月にo1の後継となるo3とともに発表され、3カ月以内に投入すると予告していた。o3-miniは、“じっくり考える”(推論)タスクに優れたモデル「o1」の高い推論能力を継承しながら、高速に動作する推論モデルとして投入。特にSTEM(科学、技術、工学、数学)分野において高い能力を発揮するという。また、同社の推論モデルとしては初めて関数呼び出し(Function calling)、構造化出力(Structured Outputs)、開発者向けメッセージ(developer messages)に対応している。
推論モデルのo1は、広範な一般知識が求められる推論モデルとして引き続き活用できるが、o3-miniは、正確性とスピードが求められる専門領域を代替できる。o3-miniは中程度の推論能力を持ち、スピードと精度のバランスが取れたモデルと位置づける。
また、有料ユーザーはより高い推論能力を使い、やや回答には時間がかかるo3-mini-highも選択可能。API経由では、low、medium、highの3段階の推論能力を選択できため、複雑な課題の場合は、highを選択し、速度を優先する場合はlowを使うといった活用が可能。なお、o3-miniはビジュアル(画像)機能は持たないため、ビジュアル推論能力が必要な場合は、o1を活用する。
APIの価格は、入力トークン100万で1.1万、キャッシュされた入力トークン100万で0.55ドル、出力トークン100万で4.40ドルに抑えられている。
テストでは、数学において、o3-miniはo1-miniだけでなくo1を上回るパフォーマンスを示す。また、博士レベルの科学でもo1-miniを上回り、o1と同等のパフォーマンスとしている。数学でも高い性能を示し、競技プログラミングにおいてもo1-miniを上回り、o1のパフォーマンスに匹敵した。モデルの速度においてもo1-miniより高速化されている。
Microsoftも31日、Microsoft Azure OpenAI Service上で「OpenAI o3」が利用可能になったと発表している。