ニュース

ジャイアンツタウン水族館、よみうりランド隣地で建設始動 球場と一体

高さ7m、幅13mの大画面の大水槽(イメージ)

よみうりランド遊園地に隣接するエリアで開発される、「TOKYO GIANTS TOWN(東京ジャイアンツタウン)」内の水族館の起工式が行なわれた。新ファーム球場「ジャイアンツタウンスタジアム」と一体となった水族館が建設される。オープンは2027年中。

東京ジャイアンツタウンは、読売新聞東京本社、読売巨人軍、よみうりランドが東京都稲城市で開発を進めている事業。中核施設のジャイアンツタウンスタジアム、および水族館、飲食施設、サブグラウンドで構成される。ジャイアンツタウンスタジアムは3月1日開業予定で、サブグラウンドも完成している。水族館と飲食施設は同時オープン予定で、これらの完成をもって東京ジャイアンツタウンのグランドオープンとなる。

東京ジャイアンツタウン」の全景(イメージ)
東京ジャイアンツタウンアクセス
レフト側の外野席の向こうに水族館が見える(イメージ)
3月1日開業のジャイアンツタウンスタジアム
ジャイアンツタウンスタジアム(写真奥)の隣(写真手前の白い囲い部分)に水族館が建設される
建設現場

地下1階・地上3階建てで、屋外展示を含む施設面積は9,874m2。人工海水を使用する内陸型の本格的な水族館となる。専用駐車場、飲食施設を歩行者用ブリッジでつなぐ予定で、利用者はジャイアンツタウン内を一体的に回遊できる。また、スタジアムの芝生外野席からはコンコースを通ってアクセスできる。球場と一体となった水族館は国内初。

球場の外野席からコンコースを通って水族館に行き来できる(イメージ)
飲食施設と水族館がブリッジでつながる(イメージ)
水族館の模型

水族館のテーマは「生き物の世界を人が訪れ、同じ時間を共に過ごす」。大自然の海中環境を再現し、生命の源である水が、多摩川から海、浅瀬から深い海へとつながっていくストーリーを展開する。全体を見て回る所要時間は1時間半から2時間程度の見込み。

館内は「多摩川エリア」「クラゲエリア」「アシカ・ペンギンエリア」など生息環境ごとに分かれている。また、エントランスでは、よみうりランド遊園地に隣接するフラワーパーク「HANA・BIYORI(はなびより)」産まれのコツメカワウソが出迎えてくれる。

30mの淡水水槽を眺めながらスロープを上ると「多摩川エリア」となる。ここから関東最大級という水量1,300トンの大水槽に向かう。

大水槽は「サンゴ礁」がテーマで、浜辺から奥行30mの海水面に潜っていくように歩きながら、徐々に海の世界に入っていく構成。大水槽の中に設けられる水中回廊は、360度見渡せるスケルトンのトンネルとなっている。サンゴ礁の海を泳ぐカラフルな魚を様々な角度から眺められ、深い海の中を歩くような没入感を体験できるとしている。

サンゴ礁の海を水中散歩(イメージ)

「アシカ・ペンギンエリア」内の「アシカの楽園」では、よみうりランド遊園地から移住したアシカが暮らす様子を見られる。

アシカたちが自然のままの姿で暮らす(イメージ)。鼻先にボールをのせた中央のアシカはモニュメント

多摩川の自然環境の展示にも注力しており、地域の学校などと連携し、子どもが地元の生態系を学べる場も提供する。そのほか「深海・太古エリア」には、1967年にフランス政府から寄贈され、日本で初めて公開されたシーラカンスの標本を展示する。また、年間を通じて様々なイベントを展開する「企画展示ホール」を設置する。

1967年にフランス政府から寄贈されたシーラカンス

よみうりランドは1964年から2000年までの36年間、遊園地内で「マリンドーム海水水族館」を運営していた。新水族館ではそのノウハウを活かし、心に残る体験や感動を届けるとしている。

起工式において、読売新聞グループ本社 代表取締役社長 山口寿一氏は「年間百数十人万人の動員を見込んでいる」と説明。また稲城市長 高橋勝浩氏は、「スポーツとエンタテインメントが融合した類を見ない施設。周辺の遊園地、ゴルフ場などとあわせて、観光の拠点になることを期待している」と述べた。

起工式の様子
現場からはよみうりランドの観覧車が見える。現在は新旧観覧者が並んでいる
東京ジャイアンツタウンの周辺施設

東京ジャイアンツタウンの所在地は東京都稲城市矢野口。稲城南山東部区画整理事業地内で、周辺では道路の整備等も進められている。現在東京ジャイアンツタウンの周辺には京王相模原線 京王よみうりランド駅、および小田急小田原線 読売ランド前駅方面へと向かう道しかないが、今後、京王相模原線 稲城駅方面へとつながる道路が整備される。

周辺では道路の整備等が進められていた