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OpenAI、営利企業へ転換 「AGIが人類に利益をもたらすため」
2024年12月30日 08:00
OpenAIは27日(米国時間)、現在の非営利組織と営利事業の会社構造の見直しを行なうと発表した。非営利組織を持続可能なものにしながら、巨額な投資が必要な営利事業については、競合他社と同様の資金到達等を行なえるようにする。
2015年に創業したOpenAIは、AGI(汎用人工知能)の実現をミッションとした非営利団体(NPO)としてスタートし、19年に“研究所以上の存在”になってきたことから、NPOが管理・監査する営利目的の組織を設立。20年にはMicrosoftからの10億ドルの調達を行なうなど、資金調達を続けてきているが、2022年のChatGPTリリース以降は、3億人が使うサービスに成長。今後、AI主導の経済を実現するためには、数十、数百億ドルの資金調達を行なう必要があるが、現在の事業構造では、非営利の理事会が資金提供する企業の利益を直接考慮できないことから、大規模な投資や事業拡大が困難になっているとする。
そのため、OpenAIの現在の営利事業をPBC(Public Benefit Corporation)と呼ぶ、公益法人に転換。普通株式を発行し、意思決定において、株主と利害関係者の利益、公益の利益のバランスを取っていく。これにより。他の企業と同様に、通常の条件で資本調達できるようにする。
NPO側はPBCの株式も取得するが、主に医療、教育、科学などの分野における慈善事業を担っていくこととなる。
OpenAIでは、この構造変更を「AGIが人類全体に利益をもたらすことを確実にするというミッションのため」と説明。「AIの能力、安全性、世界へのポジティブな影響を同時に向上させる必要がある」としている。