ニュース
KDDI、Pontaパスや金融戦略で成長加速 NTT法にも言及
2024年11月1日 19:15
KDDIは2日、3月期第2四半期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比2.8%増の2兆8,557億円、営業利益は2.3%増の5,731億円となり、通信ARPU(一人あたり月間収入)の継続増収とDXなどの主要事業が成長するなど、業績を押し上げた。
今期の総合ARPU収入は5,260円となり、前年同期の5,200円から増加した。内訳は通信ARPUが3,950円、金融など付加価値ARPUが1,310円。ブランド別では、auが前年同期比3%増、UQ mobileは約7%増とともに成長。UQ mobileからauへの移行数も前年同期比で約2倍に増加し、ブランドミックスも改善している。
また、UQ mobileとpovo2.0では新料金プランの提供も予定。UQ mobileは料金そのままで30GBのデータ通信量に対応した「コミコミプラン+」を3,278円で提供する。povo2.0では360GB(365日)のトッピングを26,400円で提供。1カ月あたり30GB 2,200円で利用できる。料金据え置きで30GBに増量した背景に、他社のサブブランドでも同様の傾向にあることが挙げられ、早期に対応したという狙いがある。
KDDIは通信と付加価値サービスを組み合わせた成長戦略を推進しており、「auマネ活プラン」が好調。同プランの契約者数は100万人を突破。auじぶん銀行預金口座数は前年同期比で+94万増の639万口座、ゴールドカードの会員数は前年同期比+41万増の138万件と大幅に増加した。
高橋社長は、「他社に先駆けて取り組んでいた固定、エネルギー、そして金融決済のセットサービスに新たにコンビニエンスストアも加え、さらなるauの魅力化を目指す」と述べ、金融事業の拡大に意欲を示した。
また、ローソンとの連携を強化。9月から三菱商事とKDDIの新経営体制のもと、10月2日から「auスマートパスプレミアム」を「Pontaパス」にリブランド。ローソンで使えるお得なクーポンを拡充し、開始2週間でデイリーアクティブユーザーが約1.5倍に増加するなど、好調なスタートを切った。KDDIは「Ponta経済圏」の拡大を目指し、2,000万会員を目標としている。
決算会見で高橋社長は、NTT法の見直しについても言及。「議論の方向性については基本的に賛同している」としたうえで、「電電公社の民営化とともに誕生したNTT法は、 時代の変化に即してアップデートが必要。緩和する部分と強化する部分について丁寧に議論が行なわれ、その方向性が明確になったものと理解」とコメント。また、現在の法体系をあえて変更(廃止)する根拠は見当たらないという見解を示した。
また、三菱UFJフィナンシャル・グループとの間で取り沙汰されているauカブコム証券の再編をめぐる報道について、「現時点で話すことはないが、方向性がでたら公表する」とコメント。また、auマネ活プランが好調であることを改めて言及し、マネ活と親和性の高い銀行やクレジットカードなどの金融事業の強化、証券分野も含めた戦略を検討していることを示唆した。