ニュース

グーグル、大規模言語モデル「日本語版 Gemma 2 2B」公開

Googleは、東京で開催された「Gemma Developer Day」に合わせて、「日本語版 Gemma 2 2B」を公開した。

Googleは6月、開発者向けのオープンな大規模言語モデル(LLM)として「Gemma 2」の正式提供を開始しており、90億パラメータ(9B)と270億パラメータ(27B)の2種類を提供しているた。これらは、高性能で効率的な推論により高い性能を誇るほか、さまざまなハードウェアで実行できる軽量さも特徴になっている。

今回公開された「日本語版 Gemma 2 2B」は、Gemma 2と比較して、優れた文章力や指示内容を的確に理解し反映する能力など、全体的な品質が向上したとする。

また自社評価において、GPT-3.5を上回るパフォーマンスを発揮し、モバイル端末での高速でスムーズな処理能力や、日英両言語における高い品質を維持している。この結果は、モデルのサイズを考慮すると、Gemmaモデルが英語以外の言語でも高い性能を発揮できる可能性を示しているという。

Gemma Developer Day

Googleはまた、インフラや生成AIなど最先端技術で日本や周辺諸国に投資する取り組みの一環として、新たな共同プロジェクトも明らかにしている。その中のユニークなものには、吉本興業とのパートナーシップにより、桂文枝師匠がGeminiを活用した新作落語を創作し披露するといったものも含まれる。

6月に発表した、東京大学 松尾・岩澤研究室とともに日本全国の地域課題の解決をサポートする生成AIモデルの実装とAI人材の育成を支援する取り組みでは、大阪府と広島県とのプロジェクト以外にも、大分県、宮城県、愛知県、栃木県の6府県に拡大している。

このほか、AI人材育成の取り組みとして、主幹事として2022年に設立した日本リスキリングコンソーシアムの会員数は、2年間で15万人を超えている。2020年から続く東京大学との長期的な取り組みでは、新たに、AIに特化して基礎や活用場面について学べる教育プログラムを学部セミナーやコース向けに提供する。

コンピュータ サイエンスを専攻する女性が少ないという課題に対しては、女子中高生向けに仕事の魅力を伝える機会を提供している。日本ではプログラムの提供開始から10年目を迎え、1万人以上の生徒が参加しているという。

慈善事業部門のGoogle.orgは日本の非営利団体を支援しており、今回、東京大学に400万ドルの拠出を発表。AI研究の進歩や、AIを活用した社会課題解決を実現するための人材育成に取り組む活動を支援する。