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NTT、連鎖型AIで産業変革する新会社「NTT AI-CIX」

NTT AI-CIX 代表取締役社長 社家一平氏

日本電信電話(NTT)は、連鎖型AI推進に向けた新会社「株式会社NTT AI-CIX」を8月26日に設立する。

コロナ禍を経て生活様式が多様化し、産業分野の提供価値が分野横断のサービスとして複雑化している中、AIを活用したDXも、個社別から複数企業・業界横断の新たな産業変革にシフトているという。

NTTは、デジタルツインの予測・最適化AIとデジタルツインコンピューティングに取り組んでいるが、NTT AI-CIX(エーアイシックス)ではこれらの技術を活用し、AIが業務・業界を超えて連携する「連鎖型AI」により、個別業務からサプライチェーン全体の最適化を実現することを目指す。また、コンサルティングからプロダクト開発、AIプラットフォームサービスまでを一貫して提供していく。なお、「AI-CIX」は、AI-Cross Industry transformationの略称。

事業の柱は、課題抽出、PoC、サービス化開発までを提供するコンサルティング、ソリューションサービスを提供する「AI・DX推進・新規事業プロデュース事業」と、アルゴリズムをプラットフォーム(PF)に集中し、プラットフォームサービスとして提供する「PF展開事業」の2本。

具体的には、小売・流通業界におけるサプライチェーン全体最適化を目指す。既に、トライアルホールディングスとサプライチェーンマネジメントの共同検討に関する連携協定を締結(1月22日付)しており、トライアルが持つ小売業界の知見・店舗・データと、NTTが持つデータサイエンス分野の知見と技術を活かすことで、店舗運営効率化・物流効率化・顧客価値向上等の実現を進めている。

さらに、関連するメーカー、卸、小売のデータ融合を加速し、商品カテゴリごとに異なるサプライチェーンや購買傾向も加味することで、流通業界における全体SCM最適化実現に取り組んでいく。

その他、農業分野でも、デジタルツインを活用し、仮想化した卸市場により、需給マッチングと配送計画を検証。生産者、卸市場、小売におけるトータルでの最適化実現を目指す。