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JR東日本、「鉄道版生成AI」など独自開発へ

JR東日本は、6月から社内向け生成AIチャットツールを全社員に展開した。また、本社内組織「Digital & Data イノベーションセンター(DICe)」において、JR東日本独自の業務内容に回答できる生成AIシステムを内製で開発し、10月から全社向けに試験導入を予定している。

DICeでは、社内で早期に生成AIが活用できるように生成チャットツール「JRE AI Chat」を内製で構築。2023年10月から社内の一部で試用を開始していた。これにより社内のDX推進に生成AIチャットが役立つことが確認できたため、2024年6月から既成の生成AIチャットツールを全社員に展開した。

同社は、全社員がタブレット端末を持つなど、全ての社員がデジタルを活用した業務変革が可能な環境を整備しており、今後は社内の利活用事例を集めて、全社員に展開していくことで全社的な生成AI利活用によるDXを実現するという。

DICeでは、登録した社内文書に基づいて回答を生成するRAG(Retrieval-Augmented Generation、検索拡張生成)を用いたシステムのプロトタイプも構築し、2023年11月から社内の一部で試用を開始している。

システムの本導入に向けては、アジャイル開発の手法を採用し、社内の意見を継続的にシステムに取り入れ、2024年10月から全社での試用を予定。導入により、社内規定やルールなどの文書の効率的な検索など、全社的な業務効率化に役立てる。

JR東日本では、この他にもシステムやアプリの内製化開発のスピードアップやエンジニア不足に対応するため、プログラムのコーディングに生成AIを活用。汎用的な生成AIが学習していない鉄道事業固有の情報を学習した「鉄道版生成AI」の開発も進めながら、コールセンター業務など自社グループで共通的な業務でも生成AIを活用していく。