ニュース

JR東日本と日本郵便連携で地方の農産物を配送・販売

陽と人(ひとびと)、日本郵政、日本郵便、JR東日本の4社は、日本郵便の「ゆうパック」と新幹線を活用した荷物輸送サービス「はこビュン」で連携して福島の農産物を東京まで輸送し、販売する実証実験を、7月16日から9月6日まで実施する。

各社の役割は、陽と人がプロジェクト企画、日本郵政グループが産地から福島駅までの配送および東京駅からの配送、JR東日本グループが福島駅から東京駅への輸送。取り扱う農産物は、化学肥料や除草剤不使用の高品質な桃「桃源の極み」、および規格外の桃で、販売は郵便局物販サービス「ふるさと小包チラシ」にて行なう。

対象列車は、やまびこ146号(福島駅16時16分発、東京駅17時48分着)。販売商品の価格(送料込)は、桃源の極みが12,270円(2kg・限定200箱)、訳あり桃が2,800円(1.5kg・限定2,200箱)、訳あり桃(上)が5,100円(2kg・限定350箱)。販売は6月10日から8月16日までの期間、ふるさと小包チラシで申込を受け付ける。配達エリアは関東地域。

昨今の課題として、農業分野では「収入の不安定さ」や「温暖化の影響による農地への影響」など、物流分野では「物流の2024年問題」や「CO2排出量削減」などが顕在化している。「生産地」「物流」「消費者」それぞれの視点でこれらの課題を分解し、業種業界の垣根を超えて整理する必要があるとの考えから、今回の実証実験を実施する。

実証実験を通して、「栽培方法を工夫した農産物や規格外農産物を、消費者が理解して購入し、直接届く」といった新しいサプライチェーンの実現と検証のほか、日本郵便とJR東日本による効率的な「新幹線への積込オペレーション」、日本郵政グループの配送網を活用した「駅への持込オペレーション」といったオペレーションの検証を行なう。また、環境負荷の低減を目指した商品・物流に対する消費者意識の調査を行なう。

参画する各社が所有するリソースやノウハウを活用し、各領域の課題を解決するだけでなく、各社が生産から販売までのそれぞれの領域の架け橋となり、将来世代や地球環境にポジティブな影響を与える仕組みづくりを目指す。

日本郵政グループとJR東日本グループによる「社会課題の解決に向けた連携強化」に関する協定に基づき、「物流の2024年問題」を背景とした業界の労働力不足という課題解決に向けた、モーダルシフトの選択肢の拡大となることも期待する。