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南船橋の大型アリーナ「ららアリーナ」を見てきた “近さ”という価値
2024年5月29日 15:18
三井不動産とミクシィは、7月にオープンする収容客数1万人規模の大型多目的アリーナ「LaLa arena TOKYO-BAY(ららアリーナ 東京ベイ)」の内覧会を29日に実施した。
JR京葉線・武蔵野線「南船橋」駅から徒歩約6分の場所に位置する大型多目的アリーナ。地上4階建て、延床面積は約31,000m2、収容客数は1万人。周辺には、商業施設「ららぽーと TOKYO-BAY」と「ららテラス TOKYO-BAY」を構える。
2024-25シーズンよりB.LEAGUE「千葉ジェッツ」のホームアリーナとして利用する。こけら落としは7月6日・7日の「Mr.Children tour 2024 miss you arena tour」。スポーツイベントやコンサート、企業の展示会など幅広い用途での利用を想定している。
外観は、ららぽーとのポート(港)と千葉ジェッツのチーム名由来でもあるジェット機をデザインリソースとし、躍動感を感じさせるデザインとした。船の航跡とジェット気流をイメージした、有孔アルミパネルで躍動感を演出している。
座席の研究で「近さ」を意識
客席は4フロアで構成され、1階アリーナ席、2階スタンド席、3階スタンド席(VIP席)、4階スタンド席を備える。可動席により2パターンのステージ利用が可能。センターステージとエンドステージを用意し、スポーツイベントとコンサート双方の機能を満たす。
イベントの演者や選手と席の距離が近く感じられることを目指し、すり鉢型のボウルデザインを採用。昇降可能な約423インチのセンタービジョンや、アリーナ内を囲む全長約120mのリボンビジョンを常設し、多様な演出が可能としている。
演者や席との距離を近くするために、客席からの見え方にもこだわった。三井不動産 執行役員 商業施設・スポーツ・エンターテインメント本部副本部長 兼 リージョナル事業部長 肥田雅和氏は、客席設計について次のように説明。
「アリーナ施設は三井不動産としては初めてなので、専門家の話を聞きながら作りました。4階など上の方からも近さを感じてもらえるよう、傾斜角度は特に意識しています。勾配をつけすぎると怖いという声も出てきてしまうので、こだわって設計ました。昨今の新しい施設においてステージが“見えない”という話題があることは認識しており、できるだけ見切れ席が少なくなるようにさまざまな施設を見て研究しました。段差もできるだけ高さを出して、前に人が座っていても見えやすくなるようにしています」
各フロアのスタンド席に座ってみたが、確かに見切れ席は少ない印象。2階は後方席でもそこまで遠いと感じなかった。4階も遠すぎず、全体的に見やすい。4階最前列は座ると少し手すりが視線にかぶるが、他の列では気にならなかった。
なお見え方に関して肥田氏は「オープンしてフタを開けてみたら課題が見つかる可能性があります。そういった場合でも課題を解決できるよう、見やすい施設を目指していきます」とコメントした。
3階はVIPエリアのみで、専用のエントランスとエレベーターで入退場可能。食事を楽しみながら観戦・鑑賞できる「VIP ROOM」「VIP BOX」、大人数で楽しめるスタンド席「Balcony」、イベントの前後も楽しめるラウンジ空間「VIP LOUNGE」「BOOSTER SQUARE」を設けた。
フード&ビバレッジは2階北南4カ所に設置し、イベントによってはコラボメニューを販売する。2階コンコース2カ所には壁面にアートを掲出。音楽イベントのワクワク感、スポーツイベントの熱狂や興奮をキーワードにしている。
トイレは全24カ所で、男性10カ所、女性14カ所、総数約330。イベントによって男女比は切り替え可能。混雑状況をリアルタイムで確認できるシステムも導入した。
メインアリーナに隣接する形で、約720m2のサブアリーナも設置。バスケットボールやバレーボール等の練習場や、イベント当日の物販会場として利用できる。
ららアリーナ 東京ベイの所在地は千葉県船橋市浜町2丁目5番15号。建物は鉄骨造、地上4階建て。敷地面積は約20,000m2。延床面積は約31,000m2。