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ドコモの“味覚共有”を体験した

NTTドコモは、東京国際フォーラムにて、共創プロジェクトを含む最新技術の展示イベント「docomo Open House’24」を開催する。開催期間は1月17日~18日。参加申込はすでに締め切られているが、オンラインでは2月29日まで展示内容を掲載する。

“味覚を共有する技術”の体験が可能

2023年12月21日に発表された、「相手の感じ方に合わせた味覚を共有する世界初の技術」が展示会場に登場、デモンストレーションで体験できる。

ブースではまず、自分の味覚の傾向について25の質問に回答。苦味、甘味、酸味、塩味、うま味の5項目について、味覚感度が分析され表示される。

質問に回答
味覚の傾向が分析される

次に、近未来のシチュエーションとして、料理中の母親が、帰宅途中で離れた場所にいる子供に、遠隔で料理の味見をしてもらうというシーンを設定。子供は、作っているトマトスープに対し「美味しくない」と不満を示すので、母親は子供がどのように味を感じているのか、味覚を共有できる技術で確認する、という内容。

遠隔で料理の味見

ブースでの味見の体験は、塩味や甘味などを感られる素材を溶かした水(味覚の標準液)で行なう。そのポイントは、ユーザーの味覚の傾向を踏まえた上で、子供にはこう感じられていたという差分を、データ化と味覚再現装置で作り出す点。

今回のトマトスープの例では、実際に装置で生成された水を味見してみると、トマトスープの雰囲気は感じられるものの、酸味やうま味が薄く、塩味が相対的に強く感じられた。この味はトマトスープを再現したものではなく、「子供にはこう感じられている」という、子供の味覚を疑似体験する形になっている。

ユーザーの味覚の傾向を踏まえた上で、子供が感じている味を再現
味覚の標準液を生成している様子
生成された水。トマトスープの味がする

これらはあくまでユースケースを示す例。作った料理の味を五味で分析するセンシングデバイスや、得られた五味のデータを再現するアクチュエーションデバイスは、現在は専門的で大型なため気軽な利用は難しいが、将来的には小型化され簡単に利用できるようになることを見込む。

味覚の共有技術は、メタバース空間や映画・アニメでの活用など、これまでにない臨場感が感じられる体験にも応用可能なものとして開発されている。ドコモは「人間拡張基盤」のひとつとして開発を進めており、味覚を共有・伝送する技術を「FEEL TECH」と名付け展開していく。

FEEL TECHで使用される材料
人間拡張基盤のひとつとして開発されている
味覚を共有する技術について