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車検ステッカー、7月3日から位置を変更 運転席側に

車検ステッカーの貼り付け位置が、7月3日より変わります。

車検ステッカーは、クルマの車外や車内から車検の有効期限を確認できるようにするステッカーで、車検を通ると発行され、フロントガラスに貼り付けます。従来は貼り付け位置は車種によって異なりましたが、基本的に「前方から見やすい位置」とされていて、フロントガラスの上部中央か、運転席から見て最も離れた左側に貼り付けるのが一般的でした。

しかし、7月3日からはこのルールが変更されます。新しい貼り付け位置は「前方かつ運転者席から見やすい位置」となり、基本的に運転席側の右上付近に貼り付けることになります。

今回の変更理由について国土交通省は、「自動車使用者の車検の受け忘れ」により、車検切れ状態で運行される自動車が存在することから、無車検運行防止対策の一環として行なうとしています。従来は「前方から見やすい位置」ということで、ドライバーからよりも、車外から確認しやすいことに重点が置かれていました。これが、車外からも車内(ドライバー)からも確認しやすいよう、運転席側に近い位置に変更されます。これによりドライバー自身が車検切れ時期を確認しやすくすることで、車検切れを防止するのが狙いです。

勿論、7月3日からルールが変わることで、これまで貼り付けていたステッカーをわざわざ貼り直す必要はありません。次回車検ステッカーを受け取った際に所定の場所に貼り付ければ大丈夫です。

パブリックコメントでは様々な意見が

国土交通省では、2022年6月22日~7月22日まで、検査ステッカーの貼り付け位置についてパブリックコメットの募集を行なっていました。期間中、435件の意見が寄せられていて、一部の意見に対しては国土交通省によるコメントが公開されています。賛成意見がある一方、反対意見や、ステッカーの様式変更、デジタル化の要望などさまざまな意見が寄せられています。

例えば、「車両構造により、窓ガラスの寸法がそもそも小さかったり、Aピラーが傾斜している場合、座高が高い場合など、運転席側に車検ステッカーを貼り付けると視界の妨げとなる」という意見に対しては、従来から前面ガラス上縁にETCのアンテナやドライブレコーダーなどの設置が認められていることから、運転車の視野の確保に大きな支障はないとコメントされています。

ただし、既にETC受信機やフィルム式アンテナ等により貼り付けに支障がある場合は、例外として、運転者の視野を妨げない、前方かつ運転者席から見易い位置でも貼付が可能としていて、一定の自由度を持たせています。また、車検ステッカーの貼付位置が違うということで車検を受検出来ない等の措置は考えていないそうです。

「車検切れで運行をする人は、そもそも忘れているのではなく、意図的である場合もあり、ステッカーの位置を変更しても効果が薄いのでは」という質問には、今回の措置は、あくまで無車検運行防止対策の一環であり、今後もさらなる対策に取り組んでいくとしています。

なお、国土交通省では、自動的に車検切れの車両を見つける「可搬式ナンバー自動読み取り装置」による街頭検査を実施しています。これによると、2021年度に調査した42,000台のうち、47台が車検切れで、全体の約0.1%だったそうです。