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「ザ・スーツカンパニー」が「スーツスクエア」になる。店舗をウィジェットに
2023年5月10日 18:24
青山商事は、「THE SUIT COMPANY(ザ・スーツカンパニー)」の屋号を、「SUIT SQUARE(スーツスクエア)」に変更する。屋号変更の第1号店として「SUIT SQUARE TOKYO GINZA店」を5月11日にオープン。同店にて発表会を実施した。
ザ・スーツカンパニーはビジネスウェア事業の1つとして展開していたが、スーツスクエアでは「ザ・スーツカンパニー」「ユニバーサル ランゲージ」など4つのブランドを1店舗に集結したブランドコンテンツミックスOMO型店舗として展開する。
ザ・スーツカンパニーは2000年11月に開始し、23年を迎える。都市部の一等立地への出店、2プライスの分かりやすい価格設定やヘルプ接客などを特徴としている。
その後、ビジネスパーソンのニーズに合わせた新業態として、ワンランク上のセレクトショップ「ユニバーサル ランゲージ」、働く女性向けブランド「ホワイト ザ・スーツカンパニー」、オーダー専門店「ユニバーサル ランケージ メジャーズ」を立ち上げてきた。
スーツスクエアではこれら4つのブランドの商品・サービスを1つの店舗で利用できる。青山商事ではこれまでもスーツスクエア形態を9店舗で導入しているが、旗艦店となるTOKYO GINZA店オープン以降、2年を目途にザ・スーツカンパニー全店をスーツスクエアに変更する。なお現在のスーツスクエア形態の店舗の所在地は、新宿、池袋、秋葉原、府中、大宮、武蔵小杉、西宮、福山、札幌。
スーツスクエアを展開するにあたって青山商事では、4つのブランドを取りそろえるブランドコンテンツミックス店舗「TSC SQUARE」を開発。また、ECで取り扱う商品を店頭で購入し、手ぶらで帰れる「DIGI-lab」を展開し、消費者にとっての利便性向上、売場面積の約5割の縮小に繋げている。店舗とECの併用顧客は拡大しており、年間購買金額も増えているという。
そのほかの特徴として、スマホのウィジェットを入れ替えるように、店舗の坪数、立地特性、顧客分布に合わせて店舗の中身を変えていく、業態可変の「ウィジェット型店舗」として展開している点がある。例えば大宮西口店では、Wi-Fi、コンセント、ミネラルウォーター完備の無料のワークスペースを導入している。
こういった特徴から既存店では、20代から30代前半の若年層に加えて、30代後半から40代後半の中間層からの支持も得ているという。また、4ブランド導入の効果による、既存店にはなかったオーダー利用者の獲得、店舗面積・展開数量の縮小から物件費・人件費といったコスト削減にも繋げている。
TOKYO GINZA店ではウィジェット要素として、買い物をサポートするタッチサイネージ「スマートバー」の導入や、プロの診断士による骨格スタイル分析サービスを初めて設けるなど、新たな試みをスタートする。
スマートバーは29インチの縦型タッチサイネージ。各コーナーに連動したアイテムのランキングや、スタッフコーディネートなどのデジタルコンテンツを配信する。設置台数はドレスシャツコーナー、レディスコーナーなど5台で、客が自由に操作できる。
骨格スタイル分析サービスでは、体型に関係なく、生まれ持った身体の特徴からその人に最も似合う服のデザインや素材・サイズ感を導き出せる骨格診断を行なう。TOKYO GINZA店では、プロの骨格診断士による骨格スタイル分析と、それぞれの骨格に似合う店内商品の案内・アドバイスを無料で実施する。サービス開始は5月下旬。骨格診断士は常駐ではない。
今後はオーダースーツ・デジタルコンテンツの強化と新ブランド
青山商事 執行役員 TSC事業本部長 河野克彦氏は、今後の戦略として、オーダースーツの強化、新規出店等によるシェア拡大、デジタルコンテンツ強化、新ブランドの計画を挙げた。
オーダースーツについては5月11日より、オーダー専門ブランドのユニバーサル ランケージ メジャーズのオーダーサービスを、単独店含め全52店舗に導入する。また、3月にはユニバーサル ランケージ メジャーズのフラッグシップショップを銀座、新宿にオープンしている。新宿では、レディス専用のオーダーカウンターを初めて設置した。
出店戦略は、2026年までに新規出店や移転リニューアルで30店舗の出店を計画。未出店エリアへの出店による、都心部を中心としたシェア拡大を狙う。
デジタルコンテンツ強化についてはDIGI-labのほか、ECサイト上にある在庫を店頭に取り寄せて試着できるサービス「TAP&FIT」を開始する。加えて、ECサイトの商品ページに着用シーンやコーディネートなどの動画コンテンツを埋め込み、利便性向上を図る。TAP&FITおよび動画配信サービスは6月1日開始。開始時点では対象商品は一部に限定。
新ブランドは2024年春に発表予定。新ブランドディレクターには、ビームスのドレス部門でバイヤーを6年間務め、現在はシンガポールのセレクトショップのクリエイティブディレクター、イタリアのトラウザーズブランドのクリエイティブアドバイザーとして活動する高田朋佳氏を起用。既存ブランドでは表現できないものづくりに臨む。また、セレクトショップの良い部分をプラスすることも狙う。
青山商事 代表取締役社長 青山理氏は、「スーツスクエア形態を導入した店舗の業績は、既存店よりも高い水準で推移し、売り上げ計画を上回っている」と説明。ビジネスウェア市場については、新型コロナウィルスの5類移行を受け、対面での働き方が再認識されていることから、コロナ前と同じにはならないまでも、8割くらいまでは戻ることに期待する。
一方で、コロナ前と現在では働き方の変化に伴い服装も変化していることから、「例えば伸縮性のあるスーツなど通勤時でも楽で、テレワークでも使える、洗濯もできる、コスト面でも対応できるといった、新しいスーツの開発が必要になる」と述べた。
窪塚洋介さん・愛流さん親子が初代アンバサダー就任
スーツスクエアの初代アンバサダーとして、窪塚洋介さんと窪塚愛流さんが親子で就任。店頭ビジュアル、Webサイト、交通広告などの各種販促ツールに順次登場する。
発表会では親子で登壇。窪塚愛流さんは3年前にザ・スーツカンパニ―のCMに出演しており、窪塚洋介さんはCM撮影の様子を見るために現場に足を運んだという。その時、窪塚洋介さんは「心配になりまして、遊びに行くという体で偵察に行きましたけれども、初々しくも堂々と仕事をしている姿を見て、ほっこりしたのを覚えています」と、親子ならではの愛情あるエピソードを紹介。「3年後に、こうやって親子で同じステージに立ってマイクを握る日が来るとは夢にも思いませんでした。いいもんです」と、親子でのアンバサダー就任の喜びを口にした。
そのような父親について窪塚愛流さんは「私生活や映画を見たり、父の本を読んだりしていて、憧れる部分はありますが、父と同じ道を辿るのではなく、自分にしかない山や壁を乗り越えていきたい。父みたいになりたいとは思わないんですが、勉強はしたいと思いますし、そこから何かを奪って自分のものにして成長していきたいと思います」と語った。
2人はスーツスクエアで提供開始する骨格診断も受けており、窪塚洋介さんは「身体に厚みは無く、華奢で曲線的」、窪塚愛流さんは「骨・関節がしっかりしていてフレーム感がある」という、異なる結果となった。