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楽天ポイント最大5重取り。ポイ活拡大の背景と今後のポイント市場

楽天ペイメントは2日、楽天ポイントカード、楽天ペイ、楽天Edy、楽天チェックを中心とした街(スーパーやドラッグストアなど)でのポイ活術の紹介や、今後の共通ポイントの動向に関するセミナーを開催。ポイ探 代表取締役 菊地 祟仁氏が講師として登壇した。

楽天ペイメントは、スマホ決済の「楽天Pay」、電子マネーの「楽天Edy」「楽天キャッシュ」、共通ポイントサービス「楽天ポイントカード」、来店ポイントアプリ「楽天チェック」を提供。また、楽天グループでは、銀行、クレジットカード、暗号資産取引所、証券、保険など多種多様なサービスを取り扱っている。

楽天ポイントは'22年1月に累計発行数3兆ポイントを突破。'22年度の総発行数は約6,200億ポイントで、失効率が2%に抑えられていることから、しっかりユーザーにポイントが使われていることが分かる。失効が近づくタイミングでリマインドメールを送っていることが、ポイントの失効率の低さに繋がっているとのこと。

ポイントは、楽天市場や楽天トラベルなどの楽天グループのサービスのほか、街のお店や交通系電子マネー利用可能店舗など、約600万箇所で使用できる。

我慢の節約よりも、ゲーム感覚で楽しめるポイ活が人気

楽天インサイトが行なった、値上げに関する意識調査によると、値上げ前と比較して「生活が苦しくなった」と感じた人は63%。節約のために実施していることとして「ポイ活をする」と回答した人が69%と最多となった。

この結果について、菊地氏は「節約とポイ活は別物だと思っている」とし、「節約は消費を抑える行為。ポイ活は消費に対してリターンする行為。節約は我慢ですけどポイントは楽しみながらできるので、個人的にはポイ活のほうがメリットがあると思っている」と述べた。

株式会社ポイ探 代表取締役 菊地 祟仁氏

帝国データバンクの調査によると、'22年の食品値上げによる家計負担額は年間68,760円増加した。現金払いから楽天のキャッシュレスサービス利用に変更すると、年間で30,000ポイント獲得でき、さらに「ネットショッピングを増やすと7万弱くらいはカバーしていける」とする。

最大ポイント5重取り。複数の楽天サービスを活用する

楽天サービスを活用した街のポイ活術について、Level 1のポイントカード提示から、Level MAXのポイント5重取りまで、実例を交えながら紹介した。

Level 1では、楽天ポイントカードを提示するだけで、最大で1%のポイントが付与される。楽天ポイントカードは様々なジャンルの店で使用可能。その数も年々拡大している。

Level 2は、楽天ポイントカードと提携先ポイントカードを提示する方法。ポイントの2重取りができる。以前はいずれかの選択性が多かったが、最近はダブルで付与されることが増えたという。

Level 3は、楽天ポイントカードを提示し、キャッシュレス決済をする方法。キャッシュレス決済で1%のポイントが付与され、ポイントの2重取りができる。決済方法は楽天ペイもしくは楽天カード。

Level 4は、楽天ポイントカードを提示し、楽天ペイアプリで支払う方法。最大2.5%ポイントが還元される。楽天カードから楽天キャッシュをチャージすると0.5%、楽天ペイで支払いをして1%、楽天ペイアプリの楽天ポイントカードを提示すると最大1%という内訳。

スマホ決済事業者におけるポイント還元率と条件について、カードからチャージして、そのチャージした金額で支払うとポイントが貯まるという仕組みは、どこも大体同じという。また、その還元率が1%程度になってきていると指摘し、「1%であればクレジットカードで払っても同じ」「楽天ペイの上乗せ分の0.5%は死守してほしい」とコメントした。

Level Maxのポイント最大5重取りには「楽天チェック」と「Rakuten Pasha」を活用。楽天チェックは、対象の店舗や施設にチェックインするだけで、楽天ポイントやお得なクーポンを獲得できる。Rakuten Pashaは、対象のレシートを撮って送付して最大300ポイントを獲得できるというアプリ。

5重取りについては難しいとしつつ、「ポイ活は義務ではないので、自分のできる範囲で楽しむのが一番重要」と語った。

また、番外編として、楽天ペイと自治体のキャンペーンを紹介。自治体のキャンペーンは還元率が高くなっているのが特徴。期間中の進呈ポイントの上限が決まっているが、多くの自治体では、PayPayやd払い、au PAYなどほかのキャッシュレス決済とセットでキャンペーンを行なっている。「楽天ペイを使って、PayPayを使って、d払いも使えば、その上限が×3になるのでうまく使ってほしい」とコメントした。

共通ポイントが市場の半数を占める。グループ内共通ポイントに注目

'03年のTSUTAYAのTポイントから始まった共通ポイントは、今年で20周年を迎える。'13年にTポイントとヤフーポイントが統合したことがきっかけとなり、'14年に楽天ポイントカード(当時はRポイントカード)もサービスを開始。その後もソフトバンクがTポイントを採用したり、その影響でドコモがdポイントカードを始めたりと、ポイントサービスの変遷があった。

'16年以降、自社のグループでポイントを共通化する、グループ内共通ポイントが増加。'23年はJR西日本やJR東海もグループ内共通ポイントを開始する。今後注目して欲しいと菊地氏は語った。

また'22年にはCCCと三井住友フィナンシャルグループが資本提携し、VポイントとTポイントの統合が発表された。楽天やドコモのように、大量にポイント原資を発行して送客するモデルになれば、さらに競争が激しくなるとみられる。

ポイント経済圏において、全てのサービスについて自社グループで運営しているのは楽天のみ。提携していると「1回歯車が狂ってしまうとバラバラになってしまう」ため、その点では「楽天は1歩リードしている」という。また、原資をどれだけ負担できるかが、ポイント経済圏において重要であるとした。

'26年には約2.5兆円の市場規模になると予測されているポイントサービス市場。楽天だけで6,200億円を発行していることからも、共通ポイントだけで約半数を占めていることが予想される。市場を牽引していくであろう共通ポイントは、今後もいろんなサービスが増えていくため、今後も流れを追って欲しいとした。