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九段会館テラス竣工。開業は秋

九段下交差点より

東急不動産と鹿島建設が推進中のプロジェクト「九段会館テラス(KUDAN-KAIKAN TERRACE)」が、7月29日に竣工した。秋の開業を予定している。

登録有形文化財建造物である旧九段会館を一部保存しながら建て替えるプロジェクト。歴史的建造物の創建当時の技術を活かして保存・復原を行なった保存部分と、IoTを活用したお濠を臨む地上17階建ての最新鋭のオフィスとなる新築部分の新旧が融合した施設として開業する。

田安門より

九段会館テラスでは、会員制シェアオフィス「ビジネスエアポート九段下」、シェアオフィスに併設されるコミュニティの場「九段食堂 KUDAN-SHOKUDO for the Public Good」、創建当時の意匠を維持・復原した宴会場を含める「九段会館テラスコンファレンス&バンケット」を展開。そのほか、クリニックモールや店舗などの付帯施設を備える。

日本のオフィスビルで初導入となる、米国View社が開発したスマートガラス「View Smart Glass」を採用。View Smart Glassは建物屋上に設置したセンサーとAIを利用して、太陽の位置や天候に合わせてガラスの透過率を4段階で自動調整し、室内に差し込む自然光・熱量を最適化する。これにより空調や照明によるエネルギー消費量の削減が可能で、一般的な低放射ガラスと比べて電力消費量を最大約20%程度削減できるとしている。

View Smart Glass 透過率の4段階調整イメージ

1階のオフィスエントランスや、あらゆるエリアへの結節点となるプラザ、地下1階に設置。ブラインドの設置が不要となることから、視界をふさぐことのないガラス面となり、西側に面するお濠や皇居の緑をのぞめる。

1階テラス部分

また、東京ポートシティ竹芝で構築したデータ連携基盤「Smart City Platform」を活用し、九段会館テラス内のIoTソリューションを一元運用する。施設内に設置するIoTカメラにより、職域食堂・エレベーター周辺などの混雑状況や夜間のお濠沿いテラスへの進入などを検知することで、施設内セキュリティを高めるとともに、ビルマネジメントの業務負担軽減につなげる。

また、館内にあるサイネージや施設ホームページ上で、混雑状況などをリアルタイムで配信し、利用者の待ち時間の短縮や混雑緩和を図る。

Smart City Platform イメージ

ハンドドライヤーには、オフィスビルでは日本初の本格導入となる、エアラボの吸引式ハンドドライヤー「CIRCULA(サーキュラ)」を採用。全館に計47台設置する。同製品は従来のハンドドライヤーと比べ、菌やウイルスの飛散を抑制・極小化するという。

ハンドドライヤー CIRCULA

九段会館テラス北側の正面玄関前には、緑豊かな広場として「九段ひろば」を設置。オフィスワーカー、施設訪問者、近隣住民が利用でき、花植えイベントなどの開催も予定している。

九段ひろば

九段ひろばからつながる西側のお濠沿いには、南北に通じる一般歩行者用のデッキ通路「お濠沿いテラス」を設置。南側に隣接する千代田区高齢者総合サポートセンター「かがやきプラザ」との間には、内堀通りから「お濠沿いテラス」へつながる遊歩道「九段こみち」を千代田区とともに整備した。連続する歩行者空間が生まれ、周辺エリアの回遊性が向上するとしている。

お濠沿いテラス
九段こみち

九段こみちは7月29日、九段ひろば、お濠沿いテラスは9月中旬に、九段会館テラス開業に先立ち利用可能となる。

九段会館テラスの所在地は東京都千代田区九段南1-6-5。敷地面積約8,765m2、延床面積約68,036m2。規模は地下3階・地上17階、高さは約74.9m。