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LINE証券、デジタル証券(STO)サービス開始
2022年5月31日 14:26
LINE証券は、スマートフォン向けの投資サービス「LINE証券」において、社債や不動産などを小口で販売できるようになるデジタル証券サービスを開始した。
新サービスでは、ブロックチェーン技術を用いたデジタル証券(Security Token、ST)を発行する。これを使った資金調達手段がSTO(Security Token Offering)となる。ユーザー・投資家は、これまで小口化が難しかった社債や不動産など、さまざまな資産に投資できるようになる。
STOサービスの第1弾として、個人向け公募引受型デジタル債が販売される。個人向け公募引受型デジタル債の販売は国内初で、銘柄は「スパークス・グループ株式会社 第1回無担保セキュリティトークン社債」。発行予定日は6月23日。野村證券が引き受け、LINE証券が販売する。
愛称は「スパークス華咲く(8739)未来ST債」で年率は2.50%。発行額は10億円で、金額は5万円以上から。期限は1年。資金使途は、未来創生ファンドや宇宙ファンドなど、ESG要素を含むスパークスグループ会社が運用するファンドへの投資または子会社への投融資資金。
同ST債を第1弾とし、LINE証券は今後、未上場株、不動産、ワイン・ウイスキー・クラッシックカーなどの実物資産、メタバース上の土地やNFTなど、さまざまな資産についてもデジタル証券化の検討を進める。また、LINE証券ならではの特典も検討していくという。
ユーザーはLINE証券を通じて手軽にデジタル証券の申込みや投資が行なえ、利払いや償還を受けられる。デジタル証券となり小口化が可能になったことで、これまで多額の資金が必要だった商品への少額からの投資が可能になる。また今後も野村グループとの連携をさらに強化、事業の拡大を図っていく。
若年層の認知を拡大。STOは実物以外にも展開
「スパークス華咲く(8739)未来ST債」を発行するスパークス・グループは、約1.6兆円を運用する国内の独立系運用会社。運用額のうち1.3兆円は機関投資家向けで、プロには評価されているが、個人投資家、特に若年層への認知が進んでいないことが同社の課題という。20-40代の個人投資家は今後無視できない潜在的な投資家とし、まず比較的リスクの低い社債で中長期的な資産形成に興味を持ってもらうためにST債を準備。社債としては買いやすい5万円から購入できるようにした。
また、販売をLINE証券が担うことも、若年層に強いという特徴から決めたという。LINE証券は過半数が20-30代と若年層が多く、また投資未経験者がほとんどとなっている。未来ST債により、こうした新たな投資層とのつながりを形成していく考え。
LINE証券では、今後もSTO展開を予定しており、未上場株や不動産、ワインなどの実物資産のほか、メタバース上の土地やNFTなどの資産についても検討していく。