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アシックスの“未来”。体験型施設「EXPERIENCE TOKYO」オープン
2021年7月9日 08:00
アシックスは、“今”と“未来”のアシックステクノロジーを体験できる「ASICS EXPERIENCE TOKYO」を、7月9日から9月8日までの約2カ月間の期間限定で、原宿jingにてオープンする。入場は無料だが、アシックス無料会員サービス「OneASICS」への登録が必要。
1階と2階の2フロア構成。1階では「TEAM RED EXPERIENCE」と題して、ASICS 東京2020大会 日本代表選手団応援プロジェクト「TEAM RED」を体感できる展示やコンテンツを展開。2階では「FUTURE EXPERIENCE LAB」と題して、アシックスが「VISION2030」で掲げる3つのテーマ「デジタル」「パーソナル」「サステナブル」によって実現を目指す未来の一部を体験できる展示やコンテンツを展開する。
石川佳純選手とバーチャルラリー・桐生祥秀選手の歩幅体感
1階には、アスリートの凄さを実感できるコンテンツとして「ATHLETE CHALLENGE」を用意。その中の1つのアクティビティとして「Virtual佳純 スーパーラリー対決」がある。
Virtual佳純 スーパーラリー対決では、バーチャルで表現した卓球の石川佳純選手とのラリーにチャレンジできる。制限時間60秒以内に“バーチャル佳純”と何回ラリーできるか挑戦できるというもので、最後には石川選手の本気レベルのスマッシュスピードも体験できる。
そのほか、「西田有志選手 ジャンプ最高到達点チャレンジ」(バレーボール)、「桐生祥秀選手 最高ストライド体験」(陸上短距離)を展示している。西田選手の展示ではスパイクジャンプの最高到達点である“351cm”を再現。桐生選手の展示では2017年に記録した9秒98の時のトップスピードにおけるストライドを表示している。なお、最高速度は11.67m/sで、時速42.0kmになるという。
1階ではそのほか、東京2020大会で日本代表選手団が実際に着用するオフィシャルスポーツウェアにおけるアシックスのテクノロジー紹介、公式応援グッズ「TEAM RED COLLECTION」、アスリートたちの意気込みやメッセージを紹介する「ATHLETE’S MIND」を展示。また、アスリートたちへの応援メッセージをオンラインで募集し、集まったメッセージをフラッグに込めてアスリートへ届ける「YELL FOR ATHLETE」にも参加できる。
なお、TEAM RED COLLECTIONはアシックス直営店およびアシックスオンラインストアで購入できるほか、一部のコンビニエンスストアでも販売している。
スマートシューズ体験や3次元足形計測
2階では、アシックスが2030年に目指す未来の姿を体感できるコンテンツを用意。2030年にはアシックスが描く技術により、誰もが一生涯、運動・スポーツを通じて心も体も満たされるライフスタイルを創造し、心身ともに健康で幸せな生活を実現できる世界を目指している。
入ってすぐの場所にあるのが、歩行分析システム「Walking Analysis」。矢印の先にあるモニターに向かってまっすぐ5m歩くことで、センサーが動きを捉え、年齢と性別に応じた歩行年齢を推定する。
「Future Personal Trainer」では、スマートシューズ体験が可能。ランニングデータに基づいたコーチングを受けられる。
Future Personal Trainer体験で使用するシューズは、ミッドソールの内部にセンサーを搭載した「EVORIDE ORPHE(エボライド オルフェ)」。EVORIDE ORPHEを履いて90秒間ランニングをすると、フィードバックが前方に投影される。
パーソナルトレーナーになるスマートシューズ「EVORIDE ORPHE」
筆者も試してみたところ、ブレーキ効率と着地衝撃は良いものの、キック効率とキック力がイマイチという結果だった。課題は「体幹と股関節回りの筋肉」、「脚の付け根の筋力」のようだ。
体験できるコーナーとして、「Foot Scan」も用意。足の長さ、横幅、甲の高さ、かかとの傾斜など、「足形データ」を計測できる。計測後には、3サイズ、2種類のアーチの計6バリエーションのサンダルの中から、足に合わせたサンダルをプレゼントする。なおサンダルプレゼントはなくなり次第終了。
Foot Scanの次には、足形データさえあれば、3Dプリンターが、ひとりひとりにフィットしたシューズを作り出してくれるという未来のイメージを展示。アシックスの目指す、オーダーメイドかつ環境に配慮したサステナブルなシューズ作りを紹介している。
シューズに関してはほかにも、ラスト(靴型)展示や、サステナブルな未来のシューズの実現に向けたタンパク質由来の新繊維素材「SVX」の紹介映像などを展開している。SVXは、天然のクモ糸のように軽量ながら耐久性と弾性をあわせ持つ極細のバイオプロテイン繊維で、微生物がタンパク質を発酵させることによって生成され、生分解性を持つことが特徴だという。アシックスでは、SVXを活用した商品の開発を行なっている。
2階にはそのほか、フォトスポット、サステナブルな未来に向けた取り組み紹介などを用意。また、FUTURE EXPERIENCE LABにあるコーナーを巡って4枚のカードを集めるカードラリーを実施し、すべてのカードを集めた人にはオリジナルのエコTシャツをプレゼントする。
個々の個性に合わせたものづくりを
アシックスはフューチャービジョンにおいて、「サステナブル」「デジタル」「パーソナル」を3つの柱として掲げる。
アシックス 常務執行役員 松下直樹氏は、個々の個性に合わせてものづくりをしていくことで、継続的な利用につながるとともに、廃棄ロスにつながると説明。例えば、2足を買って、その後履くのは1足だけということがなくなる。また、ランニングフォーム分析により、個々の能力に合わせたものの提供につながるとする。
一方でパーソナライズした商品展開は高コストになるという課題もあるとし、技術的革新などによるコスト軽減を目指す。
ASICS EXPERIENCE TOKYOを原宿で実施する狙いは、競技会場に近いことと、若者の集積地であることの2つ。年齢層に関して、アシックスユーザーの中心は30代から50代だが、将来を見据えて若い人たちや女性など幅広い層の獲得を目論む。
また、ASICS EXPERIENCE TOKYOには、習慣的にスポーツをしている人だけではなく、見るだけ、応援するだけの人にも足を運んでもらいたいと話した。
ASICS EXPERIENCE TOKYOが実施される原宿jingの住所は東京都渋谷区神宮前6-35。営業時間は11時から19時。