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腕時計のバックルに“スマート”を集約した「wena 3」。ソニーの新提案

時計をスマート化するモジュール「wena 3」

wena 3

ソニーは、スマートウォッチの新提案「wena 3」を11月27日にから発売する。ディスプレイや電子マネー、活動ログ、Alexa対応などスマートウォッチ機能を集約したバンド部は、単体でも“時計”として使えるが、他の腕時計や別売ヘッド部と組み合わせて、一般的な腕時計をスマート化できる。

バンド素材はメタル、レザー、シリコンの3種類で5モデルを用意し、価格はオープンプライス。店頭予想価格は27,000円~35,000円前後。

ヘッド(時計)は別売で、様々な時計を取り付けられるよう、18-24mmまで1mmごとに7種類のエンドピースを準備。コラボモデルとして、デザイナーのジウジアーロや山中俊治氏のデザインモデルや、セイコーやシチズンとのコラボも展開する。

ジウジアーロコラボモデル(左)と山中俊治コラボモデル(右)

時計メーカーとはさらに連携を強化する。そのため従来はスマート機能内蔵の「wena wrist」の名称で展開してきたが、リストバンドを意味するwristを外し「wena」に統一。wenaシリーズの第3世代「wena 3」に名称を変更した。

wena 3では、アンテナや部品など、スマートウォッチに必要な機能を全てバックル部に凝縮してモジュール化。このモジュールを時計メーカーに供給することで、wena単独では作れないアナログ時計の価値を訴求していく。そのためシチズンやセイコーとの協業も発表している。

さらにシチズンとのパートナーシップにより、シチズンのIoTサービス「Riiiver」にwena 3を対応し、今後シチズンは腕時計のバンド部分にwena 3を搭載した製品を開発していく。また、シチズンのムーブメント供給先の時計メーカー/ブランドへのwena 3モジュール外販も行なうなど、wena搭載腕時計の拡大を目指す。

3タイプの「wena 3」。Suicaに対応

wena 3では、metal/leather/rubberの3種類のバンドが選択可能。metalのWNW-B21AはSilverとPremium Blackの2色を用意し、店頭予想価格はSilverが33,000円、Premium Blackが35,000円。

wena 3 metal Silver
wena 3 metal Premium Black

leatherはBrownとPremium Blackで、店頭予想価格はBrownが32,000円、Premium Blackが34,000円。rubberはBlackのみで店頭予想価格は24,000円。

wena 3 leather Silver
wena 3 leather Premium Black
wena 3 rubber Black

wena 3の本体は、従来モデルwena wrist active比で体積を30%、厚みを2.5mm小型化。バックル部を極限まで薄くするため、メカ構造やアンテナ、電気回路/基板パターンなどを自社設計した。モジュール部はステンレススチール「SUS316L」を採用したほか、メタルアークアンテナを独自で開発。筐体自体をアンテナとして利用する。

筐体は、手首の形状に合わせてディスプレイを含めてカーブさせており、装着感を高めている。

wena 3では電子マネー対応も強化し、新たにSuicaが利用可能になった。Suicaは、wena 3アプリを使ってチャージや発券、残高確認などが可能。新幹線の乗車などでもSuicaを利用できる。Suica対応のウォレットとしてwena 3アプリを活用する。残高はwena 3本体のディスプレイでも確認できる。

チャージはクレジットカード(Google PayでGoogle アカウントに登録されているカード)と、コンビニなどの現金チャージ、券売機などに対応。Google PayのWeb版を使っているため、iOS/Androidとも同じスキームでチャージ可能。

なお、銀行チャージやSuica定期券には非対応。また、Suicaの利用に応じてJRE POINTが貯まる(JRE POINT WEBでの登録が必要)が、JRE POINTからwena 3へのチャージは非対応。Suica発行に関わるデポジットは不要。

新幹線は、「タッチで Go!新幹線」「新幹線 e チケットサービス 」「スマート EX」に対応。「エクスプレス予約」には対応しない。また、Suica グリーン券の購入もできない。

なお、Suica対応は11月下旬を予定している。

ほかにも楽天Edy、iD、QUICPay、dポイント、ヨドバシゴールドポイントなどの電子マネーに対応。Suica以外の電子マネーは、「おサイフリンクアプリ」での初期設定が必要で、初期設定時のみiOS端末が必要となる。初期設定さえ完了すれば、Androidユーザーでも電子マネー機能を利用できる。

またwena 3では、1週間のバッテリ駆動が可能なほか、電子マネー用に約24時間の予備電力を確保。バッテリーが切れた状態でも、しばらくは電子マネーを利用できる。

また、紛失防止タグの「MAMORIO」を内蔵。スマートフォンからwena 3を置き忘れた場所を確認できるほか、MAMORIOの遺失物トラッキングシステムにも対応する。そのため高級腕時計でもwena 3を付ければ安心して使えるという。なお、MAMORIOは発売後のアップデートで対応予定。

大型ディスプレイやデュアル光学式心拍センサー。Alexa

大画面の有機ELディスプレイを装備。設定や活動ログの確認、スケジュール、通知履歴などをwena 3上で確認できる。照度センサーを搭載し、周囲の明るさにあわせて輝度を調整。また、ディスプレイはGorilla Glassを採用し、90cmの落下衝撃にも耐える。

LINEの通知にも対応

加速度センサーとデュアル光学式心拍センサーを搭載し、日々の活動をアプリで管理。歩数(Steps)、心拍数(Heart Rate)、睡眠の深さ(Sleep)、最大酸素摂取量(VO2 Max)、ストレスレベル(Stress&Recovery Body Energy)を計測できる。

VO2 Maxは、緑色LEDに加え赤色LEDも搭載したデュアル光学式心拍センサーにより精度を向上。歩行データと心拍数の長期ログからVO2 Maxを算出するソニー独自のアルゴリズムを採用し、激しい運動をしなくても、普段の生活からVO2 Maxを知ることができるという。

さらにAmazonの音声アシスタント「Alexa」に対応。本体のボタンを押してAlexaに話しかけて天気や時間を確認できるほか、帰宅シーンでは「家のエアコン付けておいて」など、Alexa連携した家電コントロールなども行なえる。

スマートロックのQrio Lockの施錠やタイマー・アラーム機能、天気予報、wena 3からの「スマートフォンを探す」などの機能も備えている。

セイコーやシチズン、ジウジアーロとコラボ

wena 3と組み合わせる時計(ヘッド部:wena head)はデザイナーや時計メーカーとのコラボレーションし、多数の選択肢を用意する。

インダストリアルデザイナーの山中俊治氏とのコラボモデルは、4つのムーブメントを内蔵した「フォーインワン」モデル。ベゼルに食い込んだ3つのダイヤル特徴で、縁取るリングはガラス裏面に蒸着。協和精工で製造されるメイドインジャパンモデルで、東京とパサデナ、オックスフォードをイメージした3つのデザインを用意する。発売日は11月27日。店頭予想価格は59,000円前後。

wena head designed by Shinji Yamanaka
wena Three Hands Silver -Tokyo Edition
wena Three Hands Silver -Pasadena Edition
wena Three Hands Silver -Oxford Edition

カーデザイナーのファブリッツイオ・ジウジアーロ氏によるコラボモデルは、モータースポーツでの利用を想定し、時計ヘッドが左右に30度づつ回転する構造を採用。製造は協和精工。カラーはSilverとPremium Blackで、発売は2021年3月21日。店頭予想価格は58,000円(Silver)/59,000円(Premium Black)。

wena head designed by Giugiaro Architettura
wena Three Hands Silver designed by Giugiaro Architettura
wena Three Hands Premium Black designed by Giugiaro Architettura

シチズンのスポーツウォッチ「PROMASTER」とwena 3のコラボモデル「wena 3 PROMASTER Edition」は、モータースポーツからインスピーレーションを得たワールドタイム電波時計をベースにwenaオリジナルのデザインを施した。世界24都市対応のワールドタイム機能も搭載する。バンド部にはPROMASTERのメタルバンドを採用し、バックルにwena 3を搭載する。限定500台で11月27日発売。店頭予想価格は99,000円前後。

wena 3 -PROMASTER Edition-

セイコーの「BRIGHTZ」とのコラボモデルは、ヘッド部がBRIGHTZのワールドタイムモデルとし、上品なゴールドをあしらったwenaオリジナルデザイン。味わいあるレザーバンドを採用し、バックル部がwena 3となる。限定300台で11月27日発売。店頭予想価格は139,000円前後。

wena 3 -BRIGHTZ Edition-

セイコーの機械式時計「SIKO Mechanical Edition」とwena 3がコラボ。ヘッド部は「セイコーダイバーズ」にインスパイアされたオリジナルデザイン。ベゼルの差し色にあわせてブルーのレザーバンドを採用し、バックル部をwena 3とする。200台限定で11月27日発売。店頭予想価格は84,000円前後。

wena 3 -SEIKO Mechanical Edition-

時計メーカーにIoTやスマート機能を提供するwenaに

腕時計メーカーとは、「コラボ」だけでなく、商品企画や開発段階まで協業した製品も予定している。

セイコーと共同開発の「wiredwena」は、ハンドバックル部にwenaを搭載し、ヘッド部には電子制御可能な専用アナログムーブメントを採用。針のアクション・ボタン操作を通じてwena 3の機能を補完できる。

2021年1月15日に発売予定。wiredwena 2モデルのほか、wiredwena攻殻機動隊SAC_2045コラボモデルもラインナップする。

シチズンとは、同社が推進するIoTプラットフォーム「Riiiver」と連携し、Riiiverにwena 3を対応。さらに今後シチズン時計は腕時計のバンド部分にwena 3を搭載した商品の開発。販売を行なう。さらに、シチズンのムーブメント供給先にもwena 3モジュールの外販を行なっていく。