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飯田橋周辺の「駅まち一体開発」、東京都が再整備構想を策定

東京都は、飯田橋駅周辺の道路、鉄道駅及びコンコース等の都市基盤整備の方向性を取りまとめた「飯田橋駅周辺基盤再整備構想」を策定した。分かりやすく快適な移動空間の形成や、災害時にも安全・安心に過ごすことができる環境づくり、みどりの整備などに取り組む。

都は、飯田橋駅周辺の都市基盤について、駅周辺のまちづくりと連携し、その充実・強化を図るための指針を策定することを目的とした検討会を2019年11月に立ち上げ、検討を進めていた。今回策定した再整備構想は、基盤整備方針の前段として、都民から寄せられた意見を踏まえ、整備の方向性を取りまとめたもの。

飯田橋駅周辺は、千代田区、新宿区、文京区の区境に位置し、鉄道5路線が結節。また幹線道路3路線が交差する交通の要衝である一方で、鉄道駅や歩道橋、地下の乗換コンコース等、歩行者の流動空間を始めとする都市基盤は、混雑して分かりにくく、バリアフリー動線にも課題があるという。

駅周辺においては都市開発などが実施されているほか、建物の老朽化に伴うまちづくりの検討が複数の地区で進められている。

こうした状況を踏まえ、まちづくりの目標の実現に当たっては、都市基盤の充実・強化などの方向性を定め、都市開発などの具体的なまちづくりと連携した取り組みを計画的に進めていく必要があるとする。

そのため、東京都と関係3区は、JR東日本、東京メトロ、東京都交通局とともに検討会を設置して検討を進め、今回「飯田橋駅周辺基盤再整備構想」を策定した。

基盤再整備構想のポイントは、都市開発の機会を捉え、多様な機能を誘導するとともに、鉄道駅や駅周辺の都市基盤再整備やにぎわいのある空間創出に取り組む「駅まち一体開発」を進め、交通結節機能等を強化することとしている。

快適な移動空間の形成については、鉄道路線間の連絡通路や地下通路、地上出入口の空間および機能を拡充するとともに、バリアフリー化を推進。また、地上の歩道、地下通路、歩道橋の縦方向の動線や、バス・タクシー・自転車などの交通結節機能、歩道橋の機能を強化する。また、飯田橋交差点への負荷が最小限になる車両交通処理を行なう。

災害時に向けた対応については、安全に避難できるの歩行空間(歩道橋、地下通路など)の確保、一時滞在施設や一時滞留スペースの確保に取り組む。

みどりの整備については、都市開発等と連携し、沿道や南北崖線、外濠や神田川沿い等、既存のみどりを生かした、目に見えるみどりのネットワーク形成に取り組む。

今後は、行政、鉄道事業者、都市開発事業者等が連携し、複数の都市開発の一体的な都市基盤整備を効果的に実現していくため、計画内容、スケジュール、事業手法、役割分担、費用負担等について調整や合意形成を進める。