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統一QRコード「JPQR」本格展開。年度内10万件を目指す
2020年7月14日 16:47
総務省は7月14日、国内コード決済統一規格「JPQR」普及事業の広報大臣として、吉本興業所属のお笑いコンビ「銀シャリ」を任命するとともに、広報大臣任命式を東京都内で開催した。
JPQR普及事業は、2019年8月1日より和歌山県、岩手県、長野県、福岡県の4県で先行して開始された。そして2020年7月より全国展開を開始することとなり、6月22日より導入を検討している店舗からの申し込み受付が始まっている。今回広報大臣を任命された銀シャリは2019年7月31日にもJPQR普及事業の広報大臣に任命されており、2年連続での任命となった。
総務省 情報流通行政局 情報通信政策課 調査官の飯倉主税氏によると、JPQRは、本年度内に約10万件の導入を目指している。導入の申込は、6月22日よりインターネット経由で開始となっているが、現時点では約900件。そして、概ね申込から1カ月程度で店舗に利用するQRコードが届くことになるという。申込中の店舗については、7月17日より店頭に掲示するQRコードなどを含めたキットの送付が始まるという。
申し込みの状況については、現時点ではほとんど告知していないこともあって900件ほどにとどまっているとし、今後は銀シャリが出演するテレビやラジオのCMを放送したり、各地方の商工会議所などとも連携して300超の説明会を開催するなど、積極的に広報活動を行なうことにより認知度を上げ、目標を達成できるようにしたいと説明した。
2019年8月1日より開始された先行4県でのJPQR普及事業は、約7,000件の店舗で導入された。導入店舗からは、QRコードが1つになったことや、申し込みが1度に行なえたことが良かった、コロナウイルスの影響で小銭を使いたくないという客が増え、先行4件での導入店舗からはその点でもありがたかったという声があったそうだ。ただ、従来の申し込み用紙を使った申請では書き間違いが多く見られたことから、今回の全国展開ではオンラインの申し込みに一本化したとのこと。
また、PayPayがJPQR経由での利用時に決済手数料がかかる点については、現時点では決済手数料のかからない直接契約か、手数料がかかってもJPQRで統一するのがいいのかを店舗側に選択していただく形だと説明。あわせて、「PayPayに限らず各決済事業者に決済手数料の引き下げについて今後も引き続きお願いしていきたい」と述べた。
銀シャリが「JPQR」をアピール
総務省 広報官房審議官の秋元芳徳氏は、「何事も、相手が言っていることをよく聞くこと、そこから全てが始まります。聴き手がいなければコミュニケーションは成立しません。信頼という言葉は、相手が言っていることに頼る、と書きます。信用という言葉は相手が言っていることを用いると書きます。信者という文字をひとつにまとめると儲という文字になります。顧客の声に耳を傾けるものに利益は集まります。JPQRは1つのQRコードでキャッシュレス決済をすませたいとう店舗の声、スマホ利用者の声に耳を傾けた規格です。この1つの規格を多くの皆さんにお使いいただくことで、お店にもスマホ利用者にも、決済事業者にも簡単に迷いなく使えて多くの利益をあげていただくことが我々の狙いです」と、総務省が考えるJPQRの狙いについて説明。
また、JPQRの規格について、どの家電製品も簡単に使えるようにするためコンセントの規格が1つに決まっていることを例に、「用意するコードは1つで足りるようにして、手数料や付加ポイントで競ってもらう、それがJPQRの考え方」だと説明。合わせて、今年9月から開始となるマイナポイント事業についても触れ、「JPQR対応のお店はもれなくマイナポイント対応のお店となります」と、JPQRとの親和性を紹介した。
昨年に引き続き広報大臣に任命した銀シャリについては、「全国でお店を経営されている皆さんも、スマホを使っている皆さんも、銀シャリさんの青いスーツ、赤いネクタイを目印に、ぜひJPQRでキャッシュレス決済を使っていただきければと願っています」と、広報大臣としての活躍を期待する言葉を述べた。
最後に、新型コロナウイルスの影響から生活様式に変化が生じていることを取り上げつつ、「変化に対応するには、我々が日々変化し成長し進化していかなければなりません。コロナもひとつのきっかけ。JPQRをはじめ皆さん1人1人の生活環境を整え、行き方を変える、総務省はそのお手伝いを続けていくことをお約束します」と述べ、挨拶を締めくくった。
続いて、広報大臣に任命された銀シャリが登場し、秋元氏から任命状が手渡された。任命状を手渡された銀シャリの橋本直さんは、「昨年に続いて今年も広報大臣に任命していただいて、感謝しかございません」とコメント。鰻和弘さんは「まだまだJPQRを使われていない方に広めていきたい」と豊富を述べた。
また、銀シャリの2人がJPQRを使った実際の購買を体験。鰻さんは「値段を入力してボタンを2回押すだけで支払いが完了するので、財布から小銭を取り出す手間を考えるととても便利」と手軽さをアピール。橋本さんは、1つのQRコードだけで複数の事業者に対応できることに触れ、「とてもスマートだし、使う側も便利ですよね」と店舗側、利用者側双方に便利だとアピールした。
そして、昨年より広報大臣に任命されるとともに、今年に入ってからのコロナ騒動を受けて、銀シャリの2人も実際にキャッシュレス決済を利用する機会が増えているとのこと。「とても便利なので、全ての商品がJPQRを含めてキャッシュレス決済で買えるようになって欲しい」とコメントするとともに、今回のJPQR全国展開についても「とてもいいプロジェクトだと思います」と広報大臣らしく力強く述べた。