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サイバーエージェント、プロレスリング・ノアを子会社化

サイバーエージェントは、プロレスリング・ノアを運営するノア・グローバルエンタテイメントの発行済株式の全株式を取得することを発表。ノアは、サイバーエージェントの100%連結子会社となる。

サイバーエージェントは2017年9月、1997年旗揚げのプロレス団体DDTをグループ化。プロレスの興行やサービスのほか、AbemaTVでの試合中継や、「DDTの木曜TheNIGHT」といったレギュラー番組を放送。併せて、ブログやSNSなどを活用した所属レスラーの認知向上を図ってきた。

ノアは、全日本プロレスから独立した三沢光晴さんによって、2000年8月に旗揚げされたプロレス団体。近年は、経営が安定しない状況が続いていたという。2019年11月にノアの代表取締役社長に就任した武田有弘氏は、DDTプロレスリングの代表取締役社長の高木規氏(リングネーム:高木三四郎)に経営について相談。映像配信サービスや丸藤選手のDDT参戦などの選手交流を含めた、大きなプロレスビジネスが展開できないかという話が持ち上がったという。

ノア 武田有弘社長

そこで、高木氏を通じた、サイバーエージェント代表取締役社長 藤田晋氏への提案の結果、ノアのサイバーエージェントグループ参画について合意するに至った。

武田氏は、「経営の安定はノアにとって悲願であり、武道館再進出や、過去に2度開催した東京ドーム大会に向けて、非常に大きなチャンスである」と述べた一方で、「これまで以上に厳しく数字と向き合っていく」と説明。「今後はDDTとともに、業界1位を目指しながら、世間をあっと驚かせるようなプロレスコンテンツを提供していく」と話した。

高木氏は、「DDTは、ノアを創設した三沢光晴さんなど関係者の方々に大変お世話になっており、創成期のDDTの選手がノアのビッグマッチに出場するなど、古くから良好な関係を築いていた」と説明。「今、ノアを救うことが業界のさらなる発展につながる」とした上で、「ノアとDDTがパートナーシップを組むことで、新たな景色を見せられるのではないか」と話した。

DDTプロレスリング 高木規氏

今後は、経営に関するオフィスワークについては、同じグループとして共有。映像配信に関しては、ノアは日テレG+、およびサムライTVで中継を行なっているが、これらに加えてAbemaTVでも、2月16日の後楽園大会より中継が行なわれる。

また、DDTの動画配信サービス「DDT UNIVERSE」では、1月30日の後楽園ホール大会を無料生中継する。以降、月1回から2回、DDT UNIVERSEでノアの大会を生配信。オンデマンド配信も計画する。

藤田氏はノアをグループ化することを決めた理由として、「AbemaTVの中でのプロレスのコンテンツとしての魅力や可能性」、「ノアとDDTのそれぞれの特徴は良い補完関係にあること」、「高木氏の経営者としての可能性を感じており、そこに賭けてみたいという思い」の3つを挙げた。その上で「グループとしての、プロレスのさらなる発展と拡大を期待していきたい」と述べた。

サイバーエージェント 藤田晋社長

ノアの社名および組織は現体制を維持。社長にDDT社長の高木氏、副社長にノアレスラーの丸藤正道氏が就任し、武田氏は執行役員としてノアに携わる。

丸藤正道選手

なお高木氏は、自身が関わっていくのはノアの企業経営部分で、リング上の部分に関しては、丸藤氏や武田氏に一任するとしている。