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客の年齢や性別に合わせてトークするロボットパスタカフェ

JR東日本スタートアップは、4社のベンチャー企業が参加する「STARTUP_STATION」を、JR大宮駅西口イベントスペースにて12月4日から9日まで実施。実用化に向けた実証実験を行なう新しい事業を、一般利用客でも無料で体験できるイベントとなっている。ここでは、QBIT Roboticsの無人ロボットパスタカフェを紹介する。

無人ロボットパスタカフェは、QBIT RoboticsのAI技術を活用した、ロボットが調理したパスタを提供するブース。ロボットが、ショートパスタが入ったカップにお湯を入れた後、レンジに移して温めて、ソースをかけて提供する。メニューはミートソースとカルボナーラ。価格は100円。

タッチパネルでオーダー
カップにショートパスタを入れる
ポットのボタンを押してカップにお湯を入れる
レンジに入れて温める
温めている間はトークで接客
レンジから取り出しソースを入れる
提供

特徴は、客に話しかけたりパフォーマンスをする点。カメラでとらえた映像から来店客の年齢や性別を読み取り、調理しながら客に合わせたコミュニケーションを取る。

店頭の上部にカメラを備える
QBIT Robotics 無人ロボットパスタカフェ

AIは、ロボットの接客スキル向上に利用。接客中や接客後の客のリアクションをデータ化。客の笑顔と売上貢献をAIの評価ポイントとし、日々学習することでロボットが良い接客を学び続けるよう設計されている。無人ロボットパスタカフェでは、このAIを用いた、客に合わせたソースを選ぶ「ロボットにお任せ」メニューも用意されている。なお客のリアクションは、個人情報は取得せずに特徴点のみをデータ化しているという。

店頭の上部にカメラを備える
「ロボットにお任せ」も選べる

使用している調理機材は人間が使っているものと同じであるため、時間によって、例えば昼間は人間が働き、夜はロボットが働くという運営も可能。

そのほかパスタカフェでは、豊田合成が開発したe-Rubberセンサを用いた「触覚ハンド」の実証実験も実施。触覚ハンドは、物の形状や硬軟に依存することなく物を掴める。これは従来のロボットハンドでは難しいとされていたという。今回パスタ容器には、水分や温めによって若干柔らかくなる紙製の物が使用されているが、触覚ハンドによりこの容器をちょうどよい力加減で掴めるものとの説明があった。

カフェ業態のロボットサービスは国内3店舗が営業中。今後は、ビール、カレー、ラーメンショップなどを計画する。QBIT Roboticsは、人とロボットが共に働くことで、飲食やサービス業の生産性向上に寄与するとしている。

なお、JR東日本スタートアップはベンチャー企業などから駅や鉄道、グループ事業の経営資源や情報資産を活用したビジネス・サービスの提案をオープンに募り、ブラッシュアップを経て提案を実現していく「JR東日本スタートアッププログラム」を実施。今年は3回目で、262件の提案から21件を採択し、STARTUP_STATIONでは、4件の協業内容が体験できる。

体験できるのは、無人ロボットパスタカフェのほか、ウルトラ自販機によるエキナカでの無人駅弁・スイーツ販売、瞬間凍結新技術を活用した地域鮮魚の販売、AI味覚判定を活用した日本酒レコメンドサービス。時間は11時から18時。