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スクーターシェア「HELLO SCOOTER」開始。乗り捨てできる原チャリ

日比谷パークフロント地下駐車場のハロースクーター ステーション

全国約200市区町村でシェアサイクル「HELLO CYCLING(ハローサイクリング)」を展開するOpenStreetが、スクーターのシェアサービス「HELLO SCOOTER(ハロースクーター)」を9月20日より開始した。ステーションが設置されている日比谷パークフロントにて、メディア向け説明会が実施された。

ハロースクーターは、借りた場所とは異なるステーションへの返却も可能な、乗り捨て型のシェアスクーターサービス。専用アプリで予約して利用する。

ハロースクーターアプリ 起動時画面

月額1,000円で、160円/15分の時間加算+20円/kmの距離加算で利用できるプランのほか、時間加算がパックとなった1,500円の3時間パックなどの料金プランが用意されている。

料金プラン

エリアは新宿、目黒、新橋の3エリアから開始。さいたま市の浦和、浦和美園でも展開予定。台数は、年内50台から100台にてニーズなどを検証。2020年から拡張していくという。

使用されるスクーターは、ホンダの原付三輪スクーター「ジャイロキャノピー」。スクーターのデザインは、若い女性の乗りやすさを図っている。

ジャイロキャノピー

ヘルメットは備え付けのため、利用者は用意する必要はない。また、ほかの人が使用したヘルメットの使用に抵抗を感じる人のため、ヘルメットの下に被るシャワーキャップ型のカバー(以下、シャワーキャップ)も用意されている。

シャワーキャップを被った上からヘルメットを被る。使い捨てタイプで、各スクーターに複数枚用意

アプリでマップからステーションを探して予約

利用にはまず、ハロースクーターアプリをダウンロードし、メールアドレス、クレジットカード、運転免許証の登録が必要。免許証の登録は、必要事項を入力の上、アプリ内で表裏の写真を撮影してアップロードするのだが、登録後、免許審査に最大36時間かかるので、利用前日以前に登録しておくべきだろう。

情報を入力して免許証の写真をアップロードすればすぐに使えるわけではない

予約方法は、マップからステーションを探し、アイコンをクリックするとステーションの情報、さらに予約画面に進める。「予約する」をタップすると、プラン選択画面が表示される。スクーター情報の中にある「90~100%」はガソリン残量の目安、「316km」は走行可能距離の目安。

マップから予約に進む

予約有効期間は60分。つまり60分前からスクーターの予約ができる。60分を過ぎると自動的にキャンセルとなる。

返却予定地は、デフォルトでは借りたステーションとなっているが、借りる前、あるいは借りている間でも変更可能。変更は、予約時と同様にマップから選択できる。

返却予定地は変更可能

ステーションに到着したら、予約したスクーターのナンバーを確認してレンタル開始。アプリに表示される手順に従って、スクーター後方のボックスのボタンを操作してボックスを開ける。なおこの時すでに、貸出時間は進行している。

スクーターのナンバーを確認
アプリの案内に従って操作
ボックスをオープン

ボックスの中には、キー、ヘルメット、シャワーキャップが収められている。キーとヘルメットはプラグに接続されており、返却時にはプラグに差し込まないと返却手続きができない。また、仮に合鍵を作って後で使おうとしても、レンタル開始のステータスになっていないとエンジンはかからないという。

ボックス内にはプラグに接続されたキー、ヘルメットと、シャワーキャップが収納
返却時にはプラグに差し込まないと手続きが完了しない

ハロースクーターの使用方法について、スクーターにもステップごとの手順が貼られているが、アプリ内でも操作方法の動画が見られるとのことだ。

スクーターにはエンジンのかけ方などが貼られている

なお、月額の中に対人・対物賠償保険、傷害保険を含む保険料が含まれている。万が一のときの連絡先情報は、ボックスの中に設置されている。

シェアサイクルのGPSデータから見えてきたスクーターの需要

OpenStreetでは、ハローサイクリングにおけるGPSデータから、デリバリー利用、長距離利用、買物利用が多いと判断。そういった利用状況から、スクーターの需要を特定したという。

自転車では1kmから10kmの中短距離の移動が伴う利用を想定し、スクーターでは中短距離に加えて、10km以上の長距離移動のカバーを狙う。

またハロースクーターは、ステーション用地の提供や、サービスの運営を行なうパートナー企業へ、車体管理システムを提供するプラットフォーム型のサービスで、複数の事業者による全国各地でのサービス展開が可能とする。

さらに長期的な狙いとして、マイクロステーションへのモビリティ多様化を挙げる。自転車やスクーターを借りられるだけではなく、チャージャーステーションや5Gアンテナを備えたステーションの展開を目論む。

ハロースクーターでは、サービス開始と同時にキャンペーンを実施。シェアサイクルのハローサイクリングの会員で、累計5回以上利用しているユーザーを対象に、月額無料、プラン料金割引、距離加算なしなどの特典を用意する。

キャンペーン内容

シェアサイクル5回以上利用を条件としたのは、安全面を考慮した結果だという。シェアモビリティに慣れることが、安全性につながる1つの要素であると説明した。

キャンペーン対象者には、ハローサイクリングアプリ内でキャンペーンコードを案内。ハロースクーター登録時、または会員登録後にコードを設定することで、キャンペーン価格の利用が可能となる。なおキャンペーンプランでは、時間延長はできない。