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気象庁、海域で発生する地震速報が最大25秒早まるシステム
2019年6月24日 12:06
気象庁は、防災科学技術研究所が運用しているシステムと観測網の観測データを活用した緊急地震速報の発表を、 6月27日12時より開始。緊急地震速報(警報)の発表が、日本海溝付近で発生する地震については最大で25秒程度、 紀伊半島沖から室戸岬沖で発生する地震については最大10秒程度早まることが期待できるとする。
気象庁では、海域で発生する地震に対する緊急地震速報の発表の迅速化に向け、防災科学技術研究所と連携。
防災科学技術研究所が運用している「地震・津波観測監視システム(DONET)」及び「日本海溝海底地震津波観測網(S-net)」(日本海溝より陸側の観測点)の観測データを新たに活用した緊急地震速報に関わる技術開発が完了し、迅速化を実現した。
DONETは、地震計・水圧計等を組み込んだマルチセンサーを備えた、リアルタイム観測可能な高密度海底ネットワークシステム。巨大地震の想定震源域である南海トラフ沿いに整備されている。
DONET1とDONET2から構成されており、DONET1の一部の観測点のデータについては、2015年3月末から緊急地震速報に活用していたという。
S-netは、日本海溝から千島海溝海域に至る東日本太平洋沖に整備された、ケーブル式の地震計・津波計から構成される、リアルタイム観測が可能なインラインケーブル式システム。
房総沖、茨城・福島沖、宮城・岩手沖、三陸沖北部、釧路・青森沖の観測点について、観測データの活用の準備が整い、緊急地震速報への活用を開始する。