TITLE:Crisia「BL-M17W1」レビュー

[前編]便利なのはアタリマエ。映像がマジ美麗!

非常に豊富な入力系統で高汎用性!!
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D端子経由でノイズや信号の乱れが
激少ない美麗映像再生が超可能ッ!!
 前回はBL-M17W1を主にパソコン用モニターとして試用してみたが、この製品、テレビ等一般的な映像表示用モニターとしても便利&高性能だったりする。ので、今回はそのあたりを中心にレポートしてみたい。てなわけで、手始めにBL-M17W1の入力インターフェースをチェック。

 BL-M17W1は、パソコン用モニターとしてもテレビとしても、+αの映像ソースを表示できるディスプレイとしても使用可能だ。なので、まずはパソコン用の入力端子等を持つ。

 これらは本体右側にあり、PC入力端子(15ピンミニD-sub)×1とPC音声入力端子(3.5ミリステレオミニジャック)×1が並ぶ。パソコンを一台接続できるわけですな。ちなみに、これら端子の下に電源コネクタがある。また、これらコネクタ部はカバーによって覆い隠すことができる。

 本体左側には、主にビデオ入力端子が並ぶ。で、これら端子を一見すると「ハッ!! これは!!」と色めきだつ端子をひとつ発見しちゃうわけだが、その理由はこのあとスグ!! ってことで順を追って端子を見ていくと、ビデオ入力端子群が2系統ある。それぞれRCAピンの映像・音声右・音声左のコネクタとなる。が、ビデオ2入力のほーには、RCAピンコネクタに加え、何と、D1映像端子が!!

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コンシューマゲーム機も接続できる!
 ハッこれはディディディD1映像端子!! てことはすなわち、D端子装備のDVDプレイヤーなりチューナーなりを接続すれば、ノイズや信号の乱れが激少ない美麗映像再生が超可能ッ!! ってことなわけで、一連の“マルチメディアモニター”の中ではかな~りゴージャスな入力系統仕様となっている。

 さておき、パソコン用モニターとして使える以外に、テレビ放送受像器としても使えて、さらに外部映像・音声入力が2系統でプラスしてD1端子装備のBL-M17W1。かな~りイロイロな映像機器を接続できる。てゅーか、BL-M17W1ってそんじょそこらの液晶テレビよりも豊富な入力系統を持っている感じ=汎用性がすんげぇ高そーなのであった!!

 実際に接続パターンを考えてみると、筆者の場合ならば、まずPC入力端子にパソコン。それからビデオ1にコンシューマゲーム機やポータブルDVカメラとかですな。そしてビデオ2には、もちろんD端子経由でDVD-VideoプレイヤーやHDDビデオレコーダーあたりを。……とすると、BL-M17W1が1台あるだけで、パソコンもテレビもDVDもゲームも……ウチで使っている映像機器のほとんどが、BL-M17W1だけで活用できまくりなので、やっぱ汎用性高けーわ、BL-M17W1。

映像鑑賞用液晶モニターとしてもグー!!
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映像鑑賞のためのモニター
としても快適だったりする。
 BL-M17W1には多数の映像機器が接続できるのだが、単に接続できるってだけじゃイカン。肝心要の映像が美しくないとネ!! ってことで、各種映像をBL-M17W1で鑑賞してみた。

 DVカメラ映像、DVD-Video再生、ゲーム機、それから初心に返ってテレビ放送の映像を一通りチェック。で、結果、どの映像も明るさ、発色、それから滑らかさに関しては問題ないっていうか……こないだ買った某社の小型液晶テレビで再生するよりずっとキレイでやや凹んだ筆者である。ともあれ、とりわけ目を引いたのは、映像の色・明暗の豊かさと、動きの自然さだ。

 BL-M17W1には4つの高画質化技術が搭載されている。具体的には、モアレ状のカラーノイズを減少させる4ラインY/C分離機能、インタレース・プログレッシブ変換を行う差違のクシ状ノイズを軽減する高画質IP変換機能、映像伝送路状で生じた歪みを正してキレの良い発色を実現するCTI高画質補正機能、それから映像中のノイズを低減するDNR機能、となる。

 筆者が感じた“映像の色・明暗差の豊かさ”と“動きの自然さ”が、どの機能によるものなのかはハッキリわからないが、これら4大高画質化技術により、手持ちモニターとの映像品位的差違が明確になり、筆者が凹んだものと思われる。とにかく、BL-M17W1からは、“パソコン用としても使えるディスプレイだからテレビやビデオの映像はそこそこの絵”という既成概念を払拭する映像的品位が感じられた。

 話がやや抽象的なので、ちょい具体的に書いてみると、例えば少々以前の液晶テレビと比べると、BL-M17W1の画質がよくわかる。チョイ前の液晶テレビって、ハッキリ言って目を疲れさせがちなチラチラ感があった。また、明るい部分は明るすぎで暗い部分は暗すぎ、という見づらさも感じられた。同時に色も少々極端で、人工的な色合いに見えたりした。

 だがBL-M17W1の場合、液晶パネルの応答速度が25msと比較的に高速なため、まずチラチラした感じが非常に少ない。またコントラスト比も600:1と高く、これにより明暗や色の階調なども豊かに再現されているのだろう。加えて上記4つの高画質化技術。これらにより、かつての液晶テレビからは感じにくかった発色等の自然さがもたらされているのだと思う。

 それから、パネル自体の輝度が十分高いので、映像を見ているときの爽快感ってのもありますな。BL-M17W1の最大輝度は400cd/m2で、もちろん輝度は好みで調整できるわけだが、ある程度明るい環境───外光が差し込むリビングなどでも快適に映像を鑑賞できる。

 ちなみに、パソコン映像を映し出している時の最大輝度は260cd/m2。テレビ等映像を観る場合より最大輝度が低くなるが、これはパソコン利用時には表示を過度に明るくしない設計としているからだ。テレビ等表示時と同じ明るさでパソコン画面を凝視したら、目が物凄~く疲れちゃうわけだが、これを防ぐためですな。

 液晶パネルの視野角が広いのも快適だ。具体的な視野角は上下左右とも170度。パソコン画面を表示する場合は、画面をかなり斜めから見るってことはほとんどないので、ここまで高視野角である必要はないかもしれない。が、テレビやビデオの映像を表示させる場合は、視野角がこのくらい広い方が快適だったりする。

 要はですね、テレビやビデオとかってダラッとした姿勢でテキトーに観たり、数人が集まって観るケースが多いっしょ。常に画面にまっすぐ向かって観てるわけではない=画面を斜めから見る場合も多いので、高視野角=かなり斜めから画面を見てもマトモな色や明るさで観られるってのが実用性につながるのだ。

 テレビやビデオの映像はどんなふーに表示されるのか? って観点でBL-M17W1を試してみたが、これも問題ナシ。パソコンに接続できるってことを考えず、単体のテレビ&ビデオ機器接続用モニターとしても高品位な映像を提供してくれた。D1端子にDVD-Videoプレイヤーなんかを接続して再生させて、机上をプチシアターにするってのもアリですな。映像鑑賞のためのモニターとしても実力派のBL-M17W1なのだ。

さすが家電メーカーかも
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本体上部に取っ手が
付いてて持ち運びがラク。

 ほか、BL-M17W1には細かな良さがいくつもある。機能・性能の高さ、あるいは接続性の高さに加え、細部にわたって使い勝手の良さがある。

 例えばサイズ面での利便。17インチ・ワイドという画面サイズは、机上やリビング、あるいはベッドサイズでの使用など、多くのケースで快適に使える大きさだと感じる。また、同時にWXGA表示のパソコン用モニターとして使う場合、サイズ的にも解像度的にも使いやすく疲れない設定だと思う。

 液晶モニターということで、薄い=省スペースというのも大きなメリットだが、これに加えてBL-M17W1には“持ち運びやすさ”という利便が加わった。すなわち、本体上部に取っ手が付いてて持ち運びがラク。このくらい接続性の高いモニターだと、別の場所でも使いたくなるケースが増える───いつもは自室で使い、人が集まったらソコへ持ち運んでみんなでゲームして、時にはオーディオとつないで大迫力のDVD-Video鑑賞、みたいな。

 まあ、そこまで持ち運びまくらなくても、高い接続性のモニター=多くの活用シーンを想定できるわけで、あっコレはアソコで使うとより快適かも!! てな時の模様替え時にも手軽に別の場所へと設置できてラクチンだ。ちなみに、BL-M17W1の背面にはVESA規格準拠のマウントが装備されているので、市販のフリーアームや壁掛け取付用具を利用できる。持ち運びの手軽さを合わせて、レイアウトフリーなマルチメディアモニターと言えよう。

 他、さらに細かいところの作りも行き届いている。例えばリモコン。手に持ちやすいサイズでありかつシンプルなボタンレイアウトでありながら、機能的には十分。テレビやビデオやパソコンなどの入力ソースの切り替え、あるいはチャンネル・音量変更などはもちろん、BL-M17W1本体の細かな設定までリモコンから手軽に行える。

 もっと細かいところでは、本体背面にケーブルクランプ(付属)が取り付けられるので、多数の映像機器を接続した場合でもケーブルをスッキリまとめられる。設置時に見栄えがいいわけですな。

 見栄えと言えば、BL-M17W1本体のデザインも非常にキレイ。存在を誇示するような妙な意匠は一切施されておらず、本体色もおだやかだ。事務的な印象でも、あるいは所帯じみた雰囲気でもないので、仕事場からベッドルームまで、どこに置いても違和感がないと思う。

 BL-M17W1は、パソコン用モニターとしてもテレビとしても活用できるマルチメディアモニターだが、一台二役だからといって基本性能や実使用上の利便をお座なりにしていない秀逸な製品だ。ぶっちゃけ、“使えるパソコン用モニター”であり“使えるテレビ”であり、さらに“使いまくれる汎用的ディスプレイ”であった。こういう手抜かりのない製品を出すのは、やっぱり家電市場で鍛えられたメーカーだからだろうか? ともあれ、今後の“マルチメディアモニターのスタンダード”になりそうなBL-M17W1、ぜひ一度実機に触れてみて欲しい。
■関連情報
□シャープのホームページ
http://www.sharp.co.jp/

□製品情報
http://www.sharp.co.jp/crisia/index.html

□SHARP PC ONLiNE
http://www.sharppconline.jp/index.jsp

Stapa スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。



[前編]便利なのはアタリマエ。映像がマジ美麗!