■衝撃的なシーンによって純粋さを掻き立てられる映画
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後半に入ると特別ゲストの飯島愛も交えて、話題はさらに映画の核心へ。「映画というのは見る時に自分が置かれている状態次第で、全く違う感想を持つ」と飯島。すでに2回もこの作品を観た彼女はいずれの時も全く違った感じ方をしたという。また、縄で女性の体を縛るサディスティックなシーンにとても関心を寄せた様子。監督には、「ご自身もそんな傾向が?」との質問も向けられた。「監督としては、俳優たちが実生活で体験することの無いような状況に追いこんで行くことに喜びを感じるところもあります。実際にそうすることが、計り知れない美しさを生み出すことになるとわかったんです。禁じられたものを破る喜びなんではないでしょうか」。
話題の出産シーンをちょっとグロテスクに感じたという飯島だが、その意見については「確かにはじめて見たときは衝撃的でした。でも慣れてくると優しいものを感じることができるんです。禁じられている映像だという先入観で見ると暴力的な印象しかありませんが、赤ちゃんが生まれてくるというだけではなくて、私にはあそこから地球が、世界が生まれてくるという印象を受けたんです」と監督。芸術家ならではのコメントである。
「作品を観ていて純粋さをかき立てられた」と飯島が率直な感想を漏らすと、監督は「そこが飯島さんがこの映画を語ってくださる時の素晴らしさなんです。私よりもずっとシンプルに、楽しく語ってくださるのに感動しています」と初対面ながらすっかり気の合った様子を見せた。また、主演のキャロリーヌは『ロマンスX』で体験した恋愛について聞かれ「自分を求めない男性と暮らす経験は、映画の中だけで十分」との返事。じゃあプライベートは?」という飯島の質問に「充実していて幸せ」と話し、会場からも羨望の眼差しを受けていた。本作の後に出演したジャック・ドワイヨン監督の『フリーキー・ラブ!』は、今年6月に開催されるフランス映画祭にも出品が決まっており、再来日できるのを楽しみにしていると話した。
映画について、性愛について、そして恋愛について、日仏の女性が本音で語り合った60分。会場からの質問も飛び出すなど、女ばかりの時間はにぎやかに、そして瞬く間に過ぎ、映画の余韻を快く残したまま幕を閉じた。
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