法林岳之の非同期通信レポートMobile
第2回:J-フォン J-SH02速報レポート
■ J-フォンユーザー待望のカラー液晶携帯
J-SH02 |
11月1日にJ-フォン東京で発表され、11月2~5日まで開催されていたCOM JAPAN 1999でも展示されていたシャープ製端末『J-SH02』。J-フォン初のカラー液晶携帯電話であるというだけでなく、J-フォンが今日からサービスを開始したJ-スカイウォーカーやJ-スカイウェブといった新サービスにも初めて対応した端末でもあるため、J-フォンユーザーには高い注目を集めていた。発売日となった今日、無事に端末をゲットすることができたので、速報をお伝えしよう。
■ いよいよ発売日当日! しかし、売り切れ!?
今日、J-フォン東京エリアで発売が開始されたJ-SH02だが、COM JAPAN 1999以後、J-フォンからは出荷時期などのアナウンスがなく、「発売日はいつになるのか?」「潤沢に供給されるのか?」といった疑問がユーザーの間で飛び交っていたようだ。もちろん、筆者も買い換えを検討しており、J-SH02を何とか発売日に入手したいと考えていたが、昨年、ノキア製DP154EXを購入したときも発売初日だったにも関わらず、すんなり買うことができたため、意外にカンタンに入手できるかもしれないとも考えていた。しかし、当日、その考えが甘かったことを思い知らされる。
ボタン配列 |
ここ数日、J-SH02について、「もしかすると、初期出荷の台数は少ないかもしれない」「発売日を延期する地域もあるようだ」との情報があり、J-フォンショップに電話をしてみると、「もう予約分でいっぱいなんです」「入荷台数が少なく、予約分もクリアできていません」と悲しい答えが返ってくるばかり。なかには50台以上のバックオーダーを抱えたままというショップもあった。また、僚誌「AKIBA PC Hotline!」のスタッフからも「秋葉原でも全然買えませんでした」という情報が得られ、さらに状況の厳しさを痛感させられる。
結局、数軒のJ-フォンショップに当たった結果、郊外のショップに機種変更用の在庫が1台だけあることがわかった。ボディカラーはマーブルホワイトしか選ぶことができなかったが、今回は色のことなどは構っていられないため、とにかくショップに出向き、機種変更をお願いすることにした。価格は従来機種を1年以上利用し、J-フォンクラブにも加入していたため、1万710円(税込)に抑えることができた。
ゲームソフトや周辺機器などでは発売初日に買えないといったこともあるが、携帯電話やPHSでは最近、あまり例を見ないケースだ。特に、ショップによっては予約が100台を超えるところもあったらしく、予想以上にJ-SH02に対する注目度が高かったことがわかる。余談だが、J-SH02の影響かどうかはわからないが、今日はJ-フォンの端末を登録するためのセンターのコンピュータにトラブルが起きたため、通常よりも早く店じまいをしたショップもあった。
■ カラー液晶はどうだ?
F502i(左)とJ-SH02(右) |
先週、NTTドコモからカラー液晶を搭載したiモード端末「F502i」が発売された。すでに「週刊モバイルCATCH UP」でもレポートをお伝えしたが、J-SH02はF502iと比べ、カラー液晶ディスプレイの出来栄えはどうだろうか。スペック的にはどちらも最大256色表示が可能なカラー液晶ディスプレイを採用しており、画面内に表示できる文字数も全角56文字となっている。しかし、シャープと言えば、液晶パネルメーカーの最大手のひとつとしても知られており、携帯電話向けにはカラー液晶用ドライバも開発している。
写真ではわかりにくいのだが、まず最初にわかるのは、F502iのカラー液晶がやや白っぽさが強いのに対し、J-SH02のカラー液晶は黄みがかったように見える点だ。また、バックライトはF502iが比較的、全体に光が行き渡っているのに対し、J-SH02はやや下半分の方がバックライトがやや強く感じられる。しかし、パネルの背景の色が関係しているためか、バックライトが消え、蛍光灯などの反射光で見たときの視認性は、J-SH02の方がいいようだ。全体的な明るさや視認性については、若干、J-SH02の方が明るく感じられるが、あまり大きな差はないという見方もできる。ただし、これらの印象はあくまでも筆者の主観であり、人によって受ける印象が異なることも付け加えておく。
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J-フォン東京のCMキャラクター、藤原紀香の画像も公開 |
一方、カラー対応コンテンツについてだが、J-スカイウェブもカラーiモードも始まったばかりであり、あまり大きな差はなく、現時点でどちらが優れていると即断してしまうのは時期尚早だろう。ちなみに、J-フォン東京のCMキャラクターでもある藤原紀香の画像をいち早く公開していた。この調子で、藤崎奈々子(J-フォン東北)や佐藤藍子(J-フォン東海)、フェイ・ウォン(J-フォン関西)などの画像も公開するのも面白いだろう。
また、J-スカイウェブのブラウザによるiモードコンテンツの参照だが、一部に制限があるものの、ほぼ同様の画面を見ることができる。画像は表示されないものの(J-SH02のMMLブラウザはGIF形式の画像を表示できない)、文字列の挿入などは問題なくできており、十分応用はできそうだ。
カラー液晶比較 |
iモードコンテンツを見た場合 |
J-SH02 |
F502i |
J-SH02 |
F502i |
F502iのカラー液晶がやや白っぽさが強いのに対し、J-SH02のカラー液晶は黄みがかったように見える。バックライトが消え、蛍光灯などの反射光で見たときの視認性は、J-SH02の方がいいようだ。 |
J-SH02でinfoseekのiモード対応ページの検索エンジン「iseek」を閲覧。ほぼ問題なく表示できる。 |
■ J-SH02は買いか?
購入してまだ何時間も経っていないため、詳細なレポートは改めてお送りする予定だが、現時点での『買い』か否かの判断をしてみよう。J-フォンは今回のJ-SH02を皮切りに、J-スカイサービスに対応した端末を発売してくるはずだ。まだ詳細はわからないが、対応1号機であるJ-SH02がカラー対応になっていたことを考えると、当然、後発のモデルにもカラー液晶を採用する可能性は十分考えられる。カラー化のメリットはまだハッキリとしていないが、こうした先進的な部分を評価できるのであれば、『買い』と言えるだろう。
また、J-SH02は地域によってカラーリングが異なる。たとえば、J-フォン東京ではここで紹介したマーブルホワイトの他に、プラチナシルバーをラインアップしているが、J-フォン関西ではプラチナシルバーとブルームーンの2色がラインアップされている。これらのカラーバリエーションが他の地域でも提供されるようになり、選択の幅が広がることも考えられる。ということであれば、自分の気にいったカラーリングのモデルが投入されてから購入するのもひとつの手だ。もちろん、その時期には他のJ-スカイサービス対応モデルが投入されている可能性もあるため、その時点で再評価する必要はあるだろう。
J-SH02はカラー液晶搭載とともに、J-スカイサービスという新しいサービスにいち早く対応したことにより、発売初日に予想以上の反応が得られたことは間違いない。数週間は品薄状態が続きそうだが、潤沢にモノが供給されれば、真っ先に購入を検討したいJ-フォン端末と言えそうだ。
◎関連URL
■J-フォングループのホームページ
http://www.j-phone.com/
■参考記事:「J-フォン、カラーで音も出るネット携帯」
http://www.watch.impress.co.jp/mobile/news/1999/11/01/jsky.htm
■参考記事:「J-フォン、J-スカイサービスをスタート」
http://www.watch.impress.co.jp/mobile/news/1999/12/10/jsky.htm
■参考記事:「iモード初のカラー液晶搭載『F502i』速報レビュー」
http://www.watch.impress.co.jp/mobile/column/catchup/1999/12/09/
■参考記事:「[COM JAPAN 1999]この冬注目のケータイ」
http://www.watch.impress.co.jp/mobile/news/1999/11/02/phone.htm
■参考記事:「法林岳之の非同期通信レポートMobile / COM JAPAN 1999 レポート」
http://www.watch.impress.co.jp/mobile/column/hidouki/ 1999/11/04/comjapan.htm
(法林岳之)
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