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メルカリ、価格を決めずに出品できる新機能
2024年5月22日 12:00
メルカリは、5月22日から出品時に価格を決めずに出品できる「価格なし出品」を開始する。
出品時に「もっとも悩む」という価格設定を行なわずに、出品を促すもので、価格を決めずに出品し、購入希望者に希望価格の提案を受けたあとで、出品者が価格を「承諾」する。承諾した価格で販売が開始され、通常のメルカリと同様に購入できるようになる。
出品者にとっては、事前に価格設定で悩んだり、いくらで売っているかなどの相場を調べることなく、出品できる点が特徴となる。
メルカリの調査では、「出品が面倒」という回答が7割を超える。その中でも「価格設定」は上位に入っており、「写真撮影」「コミュニケーショントラブル」に次ぐ“面倒”事項となっている。そのため、価格決定を購入者に委ねる「価格なし出品」の開始を決めたという。
- 出品者が価格を設定せずに出品
- 出品した商品の価格部分が「???」と表示される
- 購入者が「???」と表示された欲しい商品を見つける
- 商品ページの「価格を提案する」をタップして、購入者が購入希望価格を提案
- 出品者に通知が届き、出品者が提案を承諾するとその価格で販売が開始される
- 価格を提案した人とその商品に「いいね!」した人に販売開始の通知が届く。通常の購入フローを経て、取引完了
【「価格なし出品」の流れ】
価格の決定が難しい場合のほか、例えば「掃除で出てきた不要なものををまとめて処分」といった場合も、写真と説明を入れたあとで、価格無しで出品。必要を感じる人に価格を決めてもらって、購入につなげるといった使い方も可能という。また、「片耳だけのAirPods」など、通常の商品と違うため相場がわからない場合などにも有効とする。
商品カテゴリ等は問わずに利用できるが、店舗向けの「メルカリShops」は対象外となる。
なお、購入希望者が価格をいれてもすぐに購入できるわけではなく、希望価格の提案を出品者が「承諾」すると、その価格で出品されるという形。承諾されると、購入希望者に通知が届くが、購入希望者が実際に購入するまでは、別の人が購入できる。
また複数の金額提案があった場合は、出品者が選んだ一つの価格が、商品ページに表示される。
出品のハードルを下げてメルカリユーザーを増やす
2023年のリユース市場規模は約2.7兆円で、2030年には3兆円規模への拡大が見込まれる。フリマアプリの「メルカリ」の成長ともに拡大しているが、市場拡大とともに、ユーザーの意識にも変化が見られるとする。
Z世代など、「フリマアプリネイティブ」の世代にとっては、「お金」以外にも「持ち物」が資産と考える意識が強い。それ故に、メルカリでもリユース市場は堅調に拡大すると予測している。
一方、メルカリを始めていない人の意識としては、「出品」にハードルを感じているという。不用品の価値は理解が進んでいるものの、「難しそう」「面倒くさそう」といった意識を持つ人も多い。
メルカリの月間アクティブユーザー数は2,283万だが、同社の資産によると「出品意向はあるが未出品」の人が3,610万人。今後、機能改善などで出品がよりかんたんになれば、メルカリユーザーが増えることから、近年特に「出品しやすさ」の改善を続けている。
3月に提供開始した「かんたん出品」もその一つ。商品写真を撮影し、商品名・カテゴリー・商品の状態・販売価格の4つを入力するだけで、出品が完了するというもので、最短15秒で出品できることから、ユーザーにも評価されたとする。
加えて今回、ユーザーのハードルの一つである「価格設定」に着目。価格を購入者に決めてもらう「価格なし出品」を導入することで、出品ユーザーの拡大を狙う。
また、「相場価格の検索が難しい」「どうやって検索すればよいかわからない」「値段がつくのかわからない」など、「不用品」に近いものも売りやすくなることも特徴だ。
今回の施策によるユーザー増などの目標は非公開だが、メルカリ Product Core Team Directorの菱井康生氏は、「不要品を手放すチャンスを増やすことで、モノの循環をより加速する」とその狙いを説明。今後は価格設定だけでなく、UX/UIの改善、梱包・発送などにおいても出品プロセスを改善。つかいやすさの向上により、メルカリの出品を増やしていく。