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トヨタ、いすゞ、日野が商用車でのCASE普及に向け提携

いすゞ自動車と日野自動車、トヨタ自動車は、商用車のCASE分野での提携を発表した。いすゞと日野の商用車事業基盤に、トヨタのCASE技術を組み合わせ、CASEの社会実装・普及に向けたスピードを加速する。

いすゞとトヨタの資本提携も発表。トヨタは、いすゞが実施する第三者割当による自己株式の処分により、いすゞの普通株式5.02%、総額428億円を取得する予定。いすゞは市場買付により同額規模のトヨタ株式を取得する。

CASE(Connected、Autonomous、Shared、Electric/電動化、自動化、コネクティッド、シェアリング)の商用対応に向けた取り組み。

具体的には、小型トラック領域を中心に、EV・FCV、自動運転技術、電子プラットフォームの開発に3社が共同で取り組む。EV・FCVでは車両コストの低減をはかるほか、福島県における水素社会実証へのFCトラックの導入や、インフラと連携した社会実装を進める。

また、3社のコネクティッド基盤をつなぎ、商用版コネクティッド基盤を構築。物流ソリューションを提供し、商用車の輸送効率を向上させることで、CO2排出量の低減にも貢献する計画。

この協業を推進するため、新会社「Commercial Japan Partnership Technologies」を設立。3社での議論を踏まえ、商用車におけるCASE技術・サービスの企画を行なう。また、その他のパートナー連携についてもオープンに検討していく。新会社の資本金は1,000万円で、資本構成はトヨタ80%、いすゞ10%、日野10%。

日野はトヨタグループの企業だが、商用車ということもありトヨタの乗用車との相乗効果がなかなか出ていなかった。しかし、「CASE革命で状況は変わった」(トヨタ豊田章男社長)という。

豊田社長は、「電動車はインフラとセットでないと普及は難しい。燃料電池車のMIRAIの導入でよくわかった。こういうクルマを作るという『メーカー目線』ではなく、どうすればよいかという『ユーザー目線』が必要。そこで日野との協業の姿が見えた。CASEの普及のためにインフラとセットで、商用車に実装することが最も大切との考えに至った」と説明。また、「日野といすゞをあわせると、日本の商用車の8割のお客様と向き合い、お客様の声を知ることができる。トヨタのCASE技術でお客様の困りごとを解消できるかもしれないと考え、いすゞの 片山社長に相談した」と提携のきっかけについて言及した。