CEATEC展示から見た次期ザウルスのコンセプト『3つのe』
CEATECで、シャープが「ZAURUS」ロゴの上に掲げたのがこの「3つのe」コンセプトだ。ザウルスはもともと、パソコンが今ほど普及していない時代に発売されたこともあり、パソコンの併用を前提としない、自己完結性の高い「電子手帳」だった。
では新Zaurusのどのあたりが『e』で、どのあたりがこれまでと違うんだろうか。 |
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エキスパンションのe
CEATECでは、10種類を超えるコンパクトフラッシュカードが新Zaurusとともに展示されていた。Bluetoothカードなどはまだモックアップで、発売時期については未定だが「基本的に展示したものは全部出したいと考えている」という。スキャナ、GPS、ズームマイク、スピーカーやTVチューナーカードなど、これらが全部発売されたら、PDAの使い方が変わってくるだろう。また、新ZaurusはUSB対応により、パソコンとの連携もずっとらくになるはずだ。 |
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展示されたコンパクトフラッシュカードは
10種類を超える |
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通信・LANカード。左から2番目のカードはPIAFS 2.1と書いてあるところから、DDIポケット対応のPHS通信カードと思われる。Bluetoothはまだモックアップ
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TVチューナーカードとスピーカーカード。これもモックアップだが、なんでもアリという感じで楽しい |
スキャナカードやGPSカード。モックアップだが、キレイなデザインで特にGPSカードの製品化が楽しみだ
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■エンターテイメントのe
「(パソコンにもつながる)電子手帳」として発展してきたザウルスは、ゲームなど遊びの印象が薄いが、最近、ナムコがザウルス用パックマンを発表するなど、対応ゲームも増やしていくようだ。もっとも、ザウルス対応ゲームはまださほど多くはない。展示されているゲームタイトルを見ると、上海やパックマンのような、モバイル環境で空き時間にちょっと楽しむのにも適したゲームをセレクトしているように思える。スタンダードで飽きのこないゲームタイトルのラインナップという感じだが、さまざまな新タイトルが追加されていくとのことだ。
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参考出展の
ザウルス用パックマン |
定番中の定番
「上海ドラゴンズアイ」2800円 |
また、新ZaurusはMP3プレーヤー機能を内蔵し、MPEG4動画再生にも対応する。これが、eコンセプトの1つであるentertainmentの具体的な提示なのだろう。MP3プレーヤーの機能内蔵はやはり嬉しい。MP3データをエンコードするのが面倒に思う怠惰な筆者の場合、MP3プレーヤー機能が本当に嬉しいと思えるのは対応の音楽配信サービスが始まってからだろう。著作権保護機能に対応したSDカードの採用から、音楽配信サービスなどにも対応できる条件は揃ったわけで、こうしたサービスの提供に期待したいところ。また、MPEG4動画再生は非常に楽しみだ。シャープはテレビ番組やビデオをMPEG4にエンコードするボックスもテレビと一緒に展示。このMPEG4ビデオレコーダーを使えば、たとえば好きなアーティストのミュージッククリップを新Zaurusで持ち歩いたりできるようになるわけだ。 |
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MPEG4ビデオレコーダー |
個人的には、有名映画俳優が出ている日本のCMをコレクションしたい。米国の一流とされる俳優は、北米のCMには絶対出ないので(向こうではCMに出るタレントは格が低いらしい。CM出演本数を誇る日本とはえらい違いだ)、米国に行ったときに見せたら、絶対ウケるな……などとしょうもない使い道もいろいろ想像したりする。これは楽しい! |
■e-ビジネスのe
もともとビジネスマン用の電子手帳として使われてきたザウルス。『e-business』ってことさらに謳うのはどのあたりなんだろうか、と思ったのだけど展示を見てナットク。オンライン証券会社のDLJ
directのページを表示させたザウルスや、地図情報サービス、スペースタウンで利用できるニュースや英会話のコンテンツなど、ビジネスに役立つサイトを表示したザウルスがたくさん展示されていた。
新Zaurusは、コンパクトフラッシュ Type IIスロット搭載で、これまでのザウルスでは対応していなかったP-in Comp@ctなどの通信カードも利用できるようになる。MI-C1では、ケーブルを出して、PHSや携帯電話に接続するのがややおっくうだったが、新Zaurusではスペースタウンへの接続ももちろんその他のプロバイダーへの接続もケーブルレスでOK。ほんのちょっとした手間なのだが、実際に接続する時の気軽さはかなり違ってくる。新Zaurusが出たら、コンパクトフラッシュサイズのPHS通信カードで、ビジネス情報にスマートにアクセスしたいものだ。
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会場のザウルスでDLJ directにアクセス。全国朝日放送の初値をチェック |
ビジネスには欠かせないマップ。さすがに携帯電話の液晶では地図を見る気がしないが、ザウルスの液晶なら十分見やすい |
■スペースタウンにも注目
そして、「3つのe」のすべてに関わるのが、スペースタウンのコンテンツサービスだ。筆者はザウルスユーザーではあるが、正直に告白するとスペースタウンにはMI-C1購入後数カ月は熱心にアクセスしたものの、その後あまり利用していなかった。そんなわけで今回、ブース展示に刺激されて久々にスペースタウンのサイトに行ったら、コンテンツの充実ぶりにちょっとびっくりしてしまった。ザウルス電子まんがや電子文庫だけでなく、ユーザーがザウルスから情報発信できメールマガジンの発行もできる「ポストマガジンクラブ」や、おしゃべりの掲示板、吉本興業のお笑いネタサイト「よしもとデジタルっちゅう花月」などのお楽しみコンテンツもずいぶん増えている。
地図情報、ザウルスのMP3プレーヤーで再生できる英会話コンテンツ、ゲーム、メールマガジン、毎日新聞ニュース、ゲーム、マンガ、文庫とさまざまな情報が入手できる。展示機のザウルスが発売されたら、ケーブルレスで、こうした情報にザウルスを取り出して数回のボタンやタップ操作だけでアクセスできる。キーボードのイカすギミックにも魅力があり、次期ザウルスをぜひゲットして利用していきたい! と思わせるCEATEC展示。シャープでは「Zaurus
e Concept」のページで新ザウルスのコンセプトを紹介している。また来週のWorld
PC Expo 2000にも、CEATEC同様に新型ザウルスが展示されるということで、今後ザウルスから目が離せない状況が続きそうだ。
□Zaurus e Concept
http://ezaurus.com/
□シャープスペースタウン
http://www.spacetown.ne.jp/
□シャープ ザウルス情報
http://www.sharp.co.jp/sc/excite/zaurus/zaurus-index.htm
(塙 庄次)
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